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2020年11月6日(金)マツダ株式会社ご登壇!タレントマネジメント・ウェビナーを開催します
お知らせ
日本エス・エイチ・エルからのお知らせです。
2020年11月6日(金)マツダ株式会社ご登壇!タレントマネジメント・ウェビナーを開催します
このたび弊社主催タレントマネジメントウェビナー「タレントマネジメント最前線 ~次世代経営リーダーの育成~」を開催いたします。
開催日時 | : | 2020年11月6日(金)10:00-11:30 |
配信方法 | : | MicroSoft Teams ライブイベント |
参加費 | : | 無料 |
ウェビナー詳細 | : | セミナー・イベント情報をご参照ください |
2020年10月07日
Webサイト「SHLタレントマネジメントソリューション」をオープンしました
お知らせ
日本エス・エイチ・エルからのお知らせです。
Webサイト「SHLタレントマネジメントソリューション」をオープンしました
この度、Webサイト「SHLタレントマネジメントソリューション」をオープンしました。
今後はこのWebサイトを通じて、会社の成長と働く社員の幸せのために日々奮闘する人事担当者に向けて、タレントマネジメントや日本エス・エイチ・エルのソリューションに関する情報をわかりやすくお伝えしてまいります。人と組織の問題解決と人事課題の遂行のお役に立てるよう努めてまいりますのでよろしくお願いします。
2020年10月7日
「タレントマネジメント」を成功に導くポイント
「タレントマネジメント」を成功に導くポイント
「タレントマネジメント」をどのように導入したらよいのか、
成果を生み出すために意識したいポイントを整理してみました。
戦略と目標の明確化
サービス導入前までに
組織の戦略と目標を明確に
「タレントマネジメント」とは、「社内のタレント(才能ある人)を活用する手段」ですから、導入にあたっては、まず「組織全体の戦略と、達成したい目標」を明らかにすることが重要です。「膨大な手間とコストをかけたけれど、組織目標に活かせなかった…」という結果になるのだけは避けたいもの。どのような目標を達成するために、社員の能力をどう活用し、何に役立てるのかを明確にします。
必要な人材や能力の明確化
客観的・科学的分析で
「人材要件」を明らかにする
組織の戦略と目標を定義したら、「目指す組織づくりのための人材・能力要件」を明確にします。そして、職務分析に基づいた「ジョブディスクリプション(職務記述書)」を作成し、具体的な職務内容や職責、職務遂行に求められる資格、知識、スキル、能力などを掴んでおきます。それぞれの職務に「どんな能力が必要か」が見えなかったり、「新規事業や新設の部門に適した人材がわからない」といった悩みを抱えたりする方も多いかもしれません。高業績者の行動特性や新しいポストの役割・職務内容を客観的・科学的に分析することで、人材要件を明らかにすることが大切です。
タレントマネジメントの
プロセスの明確化
社内の理解と協力を
得ることが肝心
「タレントマネジメント」を成功させるには、社内の協力が不可欠です。トップマネジメントの理解はもちろん、各部門のマネジャーや社員の方々から「納得して協力してもらう」ことが重要です。とりわけ新しい取り組みにおいて、すべての人がすぐに諸手を挙げて賛成するとは限りません。タレントマネジメントの円滑な導入や、導入後の組織活性化のためにも、タレントマネジメントの目的、内容、方法、対象者、得られるメリット等を明確にし、社内の理解と協力を得られるようにしましょう。
タレントマネジメントの実行
理解とコミュニケーションが
目標達成の近道に
「タレントマネジメント」の実行により、本人を含む関連する全員が対象者の特徴(能力の強みや弱み、育成ポイントなど)を詳しく知る機会を得ます。能力開発やキャリア開発、コミュニケーション改善、ストレスマネジメントなどにおいてはタレントマネジメントを行う過程で本人理解や相互理解が進みますので、問題はありませんが、選抜や配置、チーム編成などにおいては、アセスメント結果に基づく「個人の強みや弱み」「指導の仕方」「コミュニケーションの取り方」などを本人や上司、部門のマネジャーや部門人事へフィードバックしましょう。関連するすべての人が社員一人ひとりを理解することが目標達成への近道にもなるのです。
検証と改善フローの構築
タレントマネジメントの要諦は
検証と最適化
「タレントマネジメント」は導入して完了ではなく、「導入後が真の始まり」です。事前設定した組織全体の戦略と目標の実現に向け、客観的な検証を行っていきましょう。「やってみたら、当初のイメージと違っていた」ということもあるでしょう、その度に人材データを更新し、タレントマネジメントの施策や手法を見直し、よりよい意思決定ができるよう最適化していくことが重要です。
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日本エス・エイチ・エルとは
日本エス・エイチ・エルとは
HRテクノロジーとサイコメトリクス(計量心理学)の
グローバルリーダーであるSHLグループの一員です。
日本エス・エイチ・エルとは
概要
世界最高水準の人材アセスメント技術と最大規模の人材データを有するSHLグループのノウハウを活用し、国内企業・組織に最適なタレントマネジメントソリューションを提供します。
人と仕事と組織の最適化(適材適所)を科学的に進め、組織の生産性向上と働く人の幸せに貢献します。
日本における30年以上の経験に育まれた知見と世界のSHLが持つ知見を活用し、クライアント固有の課題に最適なソリューションを提供し、組織人事の問題解決とビジネス成果の創出を支援します。
事業領域
アセスメント
企業の最も重要な資産は人材です。その人材のポテンシャルを明らかにするのがアセスメント。人材に関する適切な意思決定を行うためには、人材の可視化が欠かせません。世界標準の品質と多様な測定手法により、目的に応じた妥当性の高いアセスメントを提供しています。
(例) 知的能力テスト、パーソナリティ検査、モチベーション検査、アセスメントセンター、360度コンピテンシー評価など
コンサルティング
組織や環境、職務内容により職務遂行に必要な能力は異なり、使用すべきアセスメントは異なります。30年間の実績に裏打ちされた職務分析技法とデータサイエンスを掛け合わせて最適なコンピテンシーモデルを作成し、合理的な人材選抜・育成プロセスの設計を支援しています。
(例) コンピテンシーモデリング、人材要件定義、人材データ分析、選考プロセス設計、人材可視化など
トレーニング
人材評価手法、アセスメント結果の解釈などに関するトレーニングを通じ、評価・能力開発スキルの体得を支援しています。
(例) 評価者研修、フィードバック面談研修 など
SHLグループ(英国本社)概要と実績
SHLは40年以上の歴史を持つHRテクノロジーとサイコメトリクス(計量心理学)のグローバルリーダーです。産業組織分野の科学者と心理学者を世界で最も多く雇用する民間企業であり、世界150か国、30以上の言語でソリューションを提供しています。
人材アセスメントを中心としたタレントマネジメントソリューションを通じて、あらゆる組織の変革を推進し、クライアントの成功を支援しています。
ビッグデータから導き出された洞察と知見をクライアントへ提供し、データに基づく客観的な意思決定を促します。
私たちの価値観
すべての人が持って生まれた才能を余すことなく発揮できる社会の実現に向けて
人を選ぶ際にアセスメントを使う目的は二つあります。一つは不都合な特徴を見つけ対象から除外するため。もう一つは優れた特徴を見つけ登用するため。いずれの目的も誤りではありませんが、私たちSHLは人のポテンシャルを見いだし、登用し、能力の発揮を支援すべきであるという考え方を支持しています。
私たちのソリューションは人の可能性に光を当てます。どんな人にもその人特有の才能があり、正しい場所に置かれた時に、水を得た魚のようになります。私たちは、タレントマネジメントソリューションを通じて、すべての人が持って生まれた才能を余すことなく発揮できる環境を整えることにより、すべての人がいきいきと働く豊かな社会の実現に貢献します。
関連リンク
SHLが考える「タレントマネジメント」
日本エス・エイチ・エルが考える
「タレントマネジメント」
皆さんはタレントマネジメントの意味をどう捉えていますか。
タレントマネジメントが重要視される背景や、人事の課題解決に与える影響を考えていきましょう。
経営環境が激しく変化している昨今、人材の重要性はさらに高まり「タレントマネジメント」という言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。働き方の変化にも柔軟な対応が求められる今、人材を戦略的に適正なポジションへ配置したり、育成したりするために、タレントマネジメントシステムを導入する企業も急増しています。
「タレントマネジメント」は
「人材に関するあらゆる取り組み」
「タレントマネジメント」は、文字通りの意味で考えると「タレント(Talent)=才能のある人」、「マネジメント(Management)=管理」の意味。とりわけ人事の領域において、日本エス・エイチ・エルでは「人材が持つ能力、スキル、知識、経験」などのほか、目には見えないポテンシャルも才能ととらえています。
そして「マネジメント」は、それらを最大限に活かすための「人材に関するあらゆる取り組み」を指しているのです。
タレントマネジメントの目標や課題、内容、方法、対象者などは、経営戦略・事業戦略によって決まります。たとえば、採用、異動、任用、昇格、報酬、評価、パフォーマンス管理、後継者計画、評価面談、能力開発、キャリア開発、組織開発など。やりようによっては、プライベートな交流ですらタレントマネジメントに含まれるでしょう。 タレントマネジメントは、人材を管理する仕組みや、同様のシステムを指すだけの言葉ではありません。「組織人事における問題を解決する・人材を活かすための取り組み」そのものです。企業戦略が円滑に実行されること、組織人事の問題を解決に導くことが、タレントマネジメントが持つ価値であり、真の意味するところでもあるのです。
Organizations lack people insight:
39% make business decisions without objective talent data.
52% lack the right information to make good people decisions.
61% don’t understand their workforce’s potential.
39%が、客観的な人材データを持たずにビジネス上の意思決定を行っている
52%が、適切な人材の意思決定を行うための適切な情報を持っていない
61%が、自社の従業員の潜在能力を理解していない
出典:SHL Group Ltd
「タレントマネジメント」が
重要視される現代の背景
独立行政法人 労働政策研究・研修機構が、「自社の競争力を更に高めるために強化すべきものは」との調査を行いました。有効回答数2,783社の中で1番多かったのが「人材の能力・資質を高める育成体系」で、52.9%。また、「従業員の意欲を引き出す人事・処遇制度」が、3番目に高い39.5%になっています。
<資料>「構造変化の中での企業経営と人材のあり方に関する調査」(2013年)
このように、人事制度や人材育成など、人材を活かす取り組み──タレントマネジメントに大きな注目が集まっていることが、数字にも現れています。
なぜ近年、タレントマネジメントに注目が集まっているのでしょうか。私たちは、4つのポイントがあると考えます。
(1)経営環境変化の激しい時代、新たなリーダーや変化志向人材が求められる
経営環境の変化により、これまでのやり方を一新せざるを得なくなった企業は決して少なくないと思います。ほかにも、気候変動問題、自然災害、感染症の蔓延、食糧危機、国際紛争、金融危機、法改正、消費者ニーズの多様化、情報化社会・情報技術向上の加速など、現代の経営環境は目まぐるしく変化し続けます。変化の時代の新たなリーダーとなりうる人材を見出し育てる必要に迫られています。
(2)グローバル人材や創造型人材が求められる
IT技術向上やSNSの普及によりワールドワイドな交流が活発になり、グローバリズムとナショナリズムの共存課題や人種差別問題など、現代の複雑な情勢に柔軟に対応しながら、企業は生き延びていかねばなりません。特に次世代に向けて、グローバルな観点からイノベーションを起こす、創造的な人材が必要とされています。
(3)組織全体の生産性向上
「働き方改革」により、企業は大幅な業務効率化を迫られています。作業工程を最適化したり、少ない投資で大きな成果を得られたりする仕組みなど、限られた資産で最大限の成果創出が求められています。
(4)定着性、社員満足度を向上させる
仕事も業務もきちんとこなしながらも、友人や家族との時間、地域との関わりを大切にしたい人が増えるなど、従業員の働き方に対するニーズは多様化が進んでいます。そんな中、労働人口の減少により、従業員の定着は企業にとって重要視されています。効率的に社員ひとりひとりの能力や意欲を向上させることで離職率を減らすことが急務です。
Fewer than 20% of organizations believe they have the right leadership in place to remain competitive.
「うちの会社は、競争力を高めるために適切なリーダーシップを発揮している」と胸を張っていえる組織は、20%にも満たない
出典:SHL Group Ltd(英語)
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SHLのタレントマネジメントソリューション
日本エス・エイチ・エルが提供する
タレントマネジメントソリューションとは
現在、様々なタレントマネジメントサービスが存在する中で、
日本エス・エイチ・エルのタレントマネジメントソリューションの特長を解説します。
日本エス・エイチ・エルのタレントマネジメント
ソリューションの5つの特長
(1) 妥当性の高いタレントアセスメント
日本エス・エイチ・エルのタレントマネジメントソリューションの最大の特長は、「世界中で使われているOPQ」をはじめとした妥当性の高いタレントアセスメントツールを豊富に保有していることです。コンピテンシー、意欲、価値観、知能など、タレントマネジメントを行う上で必要なデータは多様です。私たちは多様なニーズに合わせて科学的で客観性の高い測定結果を提供することが可能です。長年の経験により培われた実証研究に基づく妥当性の高さと活用できる領域の広さは、これまでタレントアセスメントを導入されたクライアント企業様からも、とても高い評価をいただいています。
(2) 各社の環境や業務に応じて、オリジナルの人材要件を設計
日本エス・エイチ・エルのタレントマネジメントソリューションは「各社の事業環境や業務内容」「抱えている人事課題」等に合わせてオリジナルの人材要件設計を行うことで、その効果を最大化させています。タレントマネジメントがうまくいかない原因の一つに、「人材要件が明確でない」もしくは「自社に合っていない人材要件で運用している」ことが挙げられます。適切な人材要件がないと、何を基準に選抜や育成をしてよいのかわからなくなり、データを有効活用できなくなります。自社に合ってない要件は、選抜した人が成功する確率を下げてしまい、生産性の悪化と関係者の満足度を下げてしまいます。データ分析とインタビュー等の手法を組み合わせて最適な人材要件設計を支援できることは、タレントアセスメントの効果を最大化させる大きな要因になっています。
(3) 世界中から「タレントマネジメント」のノウハウを集結
日本エス・エイチ・エルは、タレントマネジメントに関する重要なノウハウを世界中から集め、お客様に提供しています。AI活用やハイポテンシャル人材、イノベーション人材、リモートワーク、グローバルタレントマネジメント、エンゲージメントなど、人と組織と仕事に関する重要なテーマについて最先端の知見を活用することで、クライアント企業各社のタレントマネジメントの成功を支援します。もちろん、年間6,000社以上との国内取引実績をいかして、日本企業の風土を踏まえたソリューションを提供いたします。
(4)導入後、様々な人事施策に応用可能
日本エス・エイチ・エルのタレントマネジメントソリューションの根幹をなすタレントアセスメントは、「導入した後、色々な人事施策に活用できる」という点が、多数の導入企業様から高い評価を得ています。例えば『次世代リーダー選抜のために導入し、その後に営業部門の適材配置に活用』、『人材ポートフォリオの作成のために導入し、1on1ミーティングの活性化施策として活用』など、人事戦略に合わせて柔軟に活用いただける汎用性を持っています。
(5) 様々な国と言語に対応
SHLでは現在150ヵ国30言語以上でタレントマネジメントソリューションを提供しています。タレントアセスメントが多様な言語に対応していることはもちろんのこと、同じ基準であらゆる国の人材を評価することでグローバルタレントマネジメントを円滑に実行することができます。
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SHLのキーテクノロジー「OPQ」とは
shl_admin SHLが選ばれる理由, キーテクノロジー「OPQ」について
SHLのキーテクノロジー「OPQ」とは
世界最高水準の人材アセスメント技術により開発された、
パーソナリティ測定によりポテンシャルを予測するタレントアセスメント
OPQとは
OPQとは、1984年にSHLの創業者であるサビル氏とホールズワース氏によってイギリスで開発されたパーソナリティ検査です。Occupational Personality Questionnairesの頭文字から命名されました。職業場面における、「その人がよくとる行動」や「好みの行動スタイル」が明らかになるよう設計されました。
「人のポテンシャル」を視覚化するOPQ
これまでの人材情報は社歴や職務経験、人事考課、勤怠状況、研修受講歴、取得資格など過去の事実や実績に関するものでした。これらの情報だけで「この人は未経験の業務でよいパフォーマンスを発揮できるか?」「新規部門のマネジャーには誰が向いているか?」「新しい事業創出にどんなチーム編成が必要か?」など、未来を予測するのは難しく、予測力を高めるために人材の「ポテンシャル」を把握する必要がありました。OPQはこうした未来の職務や組織に対するポテンシャルを科学的に把握することができます。
SHLのアセスメント
SHLのアセスメントは、人材が持つ行動特徴などをもとに、人材のポテンシャルを可視化できます。これによって、まだ経験のない職務や組織に対する適性を、人材情報として管理できるようになります。
世界中で使われているOPQ
OPQは開発当初から「世界各国で使えるように」と国や文化の影響を受けない普遍的な職務行動をとらえるアセスメントツールとして設計され、多くの言語に翻訳・翻案されてきました。現在は37言語で展開されており、150か国以上の国々で利用されています。日本語版は1988年に生まれ、今では国内で年間120万人以上が受検しています。
OPQの優位性とは
(1)多面的な人物評価
「人との関係」「考え方」「感情・エネルギー」の3つの領域で30個のパーソナリティ因子を測定しています。新卒採用からトップマネジメントの登用まで、階層・職務を問わず汎用的に用いることができる検査です。
(2)作為的な回答がしにくい設問設計
ある要素に対して「あてはまる/あてはまらない」で選ぶ形式をノーマティブ(択一選択)形式と言います。回答しやすい反面、操作しやすい点が問題としてよく挙げられています。これに対してOPQでは、「自分に最もあてはまるもの」と「最もあてはまらないもの」を選ぶイプサティブ(強制選択)形式を採用しています。これによって、受検者が自分がよく見えるような回答をしたがる傾向(社会的望ましさによるバイアス)を抑制します。
(3)多言語での受検が可能
パーソナリティ検査は第一言語で受検するのが基本です。グローバル版OPQであれば、受検言語が違っても国際的な統一基準で評価できます。各国の候補者の中から選抜・登用を行うような場面で有効です。
(4)高い予測妥当性
適性検査は、職務で活躍できるかどうかを予測できなければ意味がありません。OPQと実際の職務成績との関係性分析により、直近5年間で日本国内650社以上において、職務成績をOPQで予測できることが実証されています。
【分析例:ある営業職のパフォーマンスとOPQの関連性(相関分析)】
(5)多様な結果報告書
適性検査が、「採用時に応募者を知る」ための情報として使えることは、よく知られています。
OPQは、一度受検していただければ、その結果から「採用時に必要な情報」の他、「配属に必要な情報」「育成に必要な情報」「昇進昇格に必要な情報」など、その人材に関する様々な要素を知ることができます。用途にあわせて、多様な結果報告書をアウトプットできます。
【代表的な結果報告書】
OPQ
採用時におもに使われる帳票です。30因子のパーソナリティから予測される、基本的な9つのコンピテンシーのポテンシャル、7つの職務適性、そしてマネジメントへのポテンシャルである「マネジメント資質」を予測します。
<結果報告書項目抜粋>
能力特性
・マネジメント資質
・ヴァイタリティ
・チームワーク
・創造的思考力
・問題解決力
・プレッシャーへの耐力
・統率力 など
職務適性
・物販営業
・コンサルティング営業
・エンジニア
・研究開発 など
ストレス耐性リポート
ストレス耐性に特化した帳票です。受検者がどのようなストレス要因(ストレッサー)をどの程度苦手とするかを予測しています。また、受検者の好むストレス対処法(ストレス・コーピング)を予測します。採用や配置配属に利用されます。
<結果報告書項目抜粋>
受検者の苦手なストレス要因
・変化と混沌
・ハードスケジュール
・上下関係の厳しさ
・評価されない
・ルーチンワーク
・営業/交渉行為
・チームワーク など
万華鏡30
受検者本人に結果をフィードバックするのに最も適した帳票です。文章による解説が豊富な他、36個のマネジメントコンピテンシーやチームにおいて果たす役割(チームタイプ)など、社内における配置・配属・登用・育成に活用できる情報が豊富です。
<結果報告書項目抜粋>
マネジメントコンピテンシー
・M基準:組織の長に求められる資質
・P基準:専門分野のスタッフに求められる資質
・E基準:新しい事業の推進者に求められる資質
・共通基準 など
チームタイプ
・まとめ型リーダー
・ひっぱり型リーダー
・アイデアマン
・点検確認型
・人脈・情報提供型 など
CHX
14個の職務適性や、相性のよい上司・部下タイプ、コミュニケーションスタイルなどが出力された、ユニークな帳票です。キャリアを考えるインターンシップでのコンテンツや、採用前のフォローアップ面談などに、幅広く活用されています。
<結果報告書項目抜粋>
上下関係適性
・素直従順型部下タイプ
・自主判断型部下タイプ
・率直直言型部下タイプ など
・指示指導型上司タイプ
・権限移譲型上司タイプ
・交渉取引型上司タイプ など
コミュニケーションスタイル
・自信型
・共感型
・情熱型
・忍耐型
・説得型 など
(6)様々な人事施策での活用
OPQは様々な人事施策に活用できます。受検者個人のパーソナリティを深く知る必要がある場面(採用、社内選抜、任用登用、配置配属、能力開発、コーチング、カウンセリング、チームビルディング、ストレスマネジメントなど)だけでなく、受検者集団の傾向をとらえる必要がある場面(ピープルアナリティクス、高業績者の特徴把握、人材ポートフォリオ、組織ごとの戦力調査、など)で使いやすく、深い洞察を可能にする情報を提供します。
当社プロダクトサービス(GAB、CAB、玉手箱Ⅲなど)のほとんどにOPQが搭載されています。また、OPQのカスタマイズやOPQデータの分析、結果のフィードバックなどのコンサルティングサービス、OPQ結果を用いた研修やOPQ活用訓練などのトレーニングサービスのご提供も可能です。
ご要望にあわせてOPQを活用したタレントマネジメントソリューションをコンサルタントがご提案します。
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「OPQ」の活用事例
多様な人事課題を解決する「OPQ」活用事例一覧
日本エス・エイチ・エルのキーテクノロジーであるOPQ(Occupational Personality Questionnaires)を
タレントマネジメントにご活用いただいた事例をご紹介します。
次世代リーダー選抜に客観性を持たせるために
ハイポテンシャル人材
業種:メーカー(機械)
企業規模:12,000人
現職のパフォーマンスのみによる昇格審査ではなく、リーダーとしてのポテンシャルも考慮した審査を行うためにOPQを活用しました。導入前に、早期昇格者や上位職で活躍している人材の特性を詳細に調査して、次世代リーダーに求められる要件を定義しました。OPQの結果から自社独自の次世代リーダー適性得点を算出し、ポテンシャル評価を行うことで、客観的な審査ができるようになりました。
サクセッションプランプラン
サクセッションプラン
業種:メーカー(電気機器)
企業規模:18,000人
一連のサクセッションプランにOPQを含むTalent Centralを実施しました。リーダーシップポテンシャルを測定し、将来を担う育成対象群を客観的な情報で可視化することができました。組織的なタレントパイプライン強化に役立つだけでなく、アセスメント結果をフィードバックすることで、専門的な知見から個々の能力開発も促進できています。
営業力を可視化して、科学的な営業力強化を実現
人材棚卸し(人材可視化)
業種:金融
企業規模:30,000人
営業力を可視化するため、現営業社員を対象とした調査にOPQを活用しました。営業成績に対して、どのコンピテンシーがどの程度影響しているのかを分析することで、個人別にどのコンピテンシーの開発が業績向上に寄与するのかがわかるようになりました。
科学的タレントマネジメントの導入
人材棚卸し(人材可視化)
業種:インフラ
企業規模:1,300人
人事管理全般を科学的に行うために人事管理データベースにOPQデータを入れました。人材情報として個人属性情報だけでなく、行動傾向やポテンシャル情報が重要と考えたからです。採用、選抜から活用をはじめており、今も定期的にデータを取得して活用場面の拡大を図っています。
新規事業人材ポテンシャルの測定
人材棚卸し(人材可視化)
業種:インフラ
企業規模:2,800人
新規事業部門で成果を出す可能性が高い社員の発掘にOPQを利用しています。OPQによってポテンシャルを把握して、その他のアセスメント結果と合わせて判断しています。根拠が明確に示せるため、事業部へ説明する際にとても役立っています。
人材ポートフォリオの構築と活用
人材棚卸し(人材可視化)
業種:メーカー(食料品)
企業規模:3,000人
OPQを活用して人材ポートフォリオを作成しました。管理職を除く全社員のデータを取得し、統計的な手法を用いて、2軸4象限に人材を布置しました。このポートフォリオを活用して、採用戦略及び適正配置の検討を行っています。経営層も含めて、客観的なデータを見ながら議論できるようになったため、人事運用が非常にやりやすくなりました。
客観性の高い人材要件定義の策定
人材データ分析・人材要件定義
業種:建設
企業規模:2,000人
人材要件を定義するためにOPQを活用しました。これまでは主観的な経験に基づき人材を把握していました。全社員のOPQデータを取得し、職種や等級、高評価者、早期退職者などの傾向を統計的に分析して、人材要件を明確化しました。人材採用や異動、プロジェクトメンバーを任命する際に役立てています。
幹部人材のあるべき姿の再定義
人材データ分析・人材要件定義
業種:IT
企業規模:1,000人
管理職の人材要件定義にOPQを活用しました。事業環境の変化とグローバル展開を踏まえ、計画的に役員候補者を育てる必要がありました。OPQのデータ分析と経営層へのインタビューを実施し、優秀な管理職の特徴に経営層の意向を加味した人材要件を作成しました。作成した要件は、昇格基準として重要な役割を担っています。
次なる事業フェーズへの移行を見据えた営業職要件の定義
人材データ分析・人材要件定義
業種:サービス
企業規模:200人
営業人材の要件定義にOPQを活用しました。市場の飽和によりプロダクト型からソリューション型の営業方法へ転換する必要がありました。ソリューション型営業人材の特徴を明確化するため、責任者へのインタビューとOPQのデータ分析を行いました。定義した要件は中途採用・社員育成で活用しています。
「勘と経験」に頼らない人材配置の実現
人材選抜・配置・任用
業種:メーカー(機械)
企業規模:700人
新入社員の配属検討の際に、各社員のOPQ結果から「どんな活躍をしそうか」「どんな職場を避けた方がよいか」などを読み取っています。以前は上司と合わずに早期離職が起きることがありましたが、OPQを活用することで新入社員の個性を踏まえた配属ができるようになりました。
デジタル人材の選抜と育成のために
人材選抜・配置・任用
業種:小売
企業規模:5,000人
人事部でデータ分析ができる人材が必要となりOPQを使って社内選抜を行いました。選んだ人に異動の打診をすると予想以上に前向きな反応で、円滑な人事異動となりました。今では人事施策の検討を行う上で欠かせない人材に育っています。
早期戦力化を狙い、より適切な業務分担を
人材選抜・配置・任用
業種:メーカー(機械)
企業規模:12,000人
営業部門に配属した新入社員の担当業務割り当てにOPQを活用しています。現有社員に対する事前調査で営業と営業支援のどちらに向いているかの指標を作成しました。この指標を参考に、本人との面談を経て担当業務を決定しています。この取り組みで手ごたえを感じたため、キャリア採用面接にもOPQを活用しています。
本社戦略部門への抜擢を合理化
人材選抜・配置・任用
業種:メーカー(食料品)
企業規模:20,000人
ブランドマネジメント部門への配属にOPQを活用しています。営業として成功している人がブランドマネジメントをできるわけではなく、異動後にミスマッチが起こることも少なくありませんでした。配属の成功率を高めるため、現有社員のデータ分析から導き出した基準をもとに人材を選抜したところミスマッチが減り、現場の満足度が向上しました。
担当者に依存しないタレントマネジメントの構築
人材選抜・配置・任用
業種:金融
企業規模:2,500人
社員の人事的な意思決定を行う際にOPQを活用しています。以前は定期異動の根拠が人事担当者の主観であり、判断の不安定さが問題視されていました。そこで信頼性と妥当性があるOPQの定量データを用いて、「客観的な意思決定」の仕組みを構築しました。
新任管理職が自分のマネジメントスタイルに自ら気づくために
能力開発・キャリア開発
業種:メーカー(機械)
企業規模:3,000人
新任管理職研修でOPQを実施しています。自分のマネジメントスタイル、強み・弱みを認識するためにOPQを使います。強みを活かしたマネジメントをするために、熟慮する機会を与えています。プレーヤーからマネジャーへと意識を変えてもらうために役立っています。
今後のキャリアを考えるための資料として
能力開発・キャリア開発
業種:メーカー(化学)
企業規模:400人
若手社員向けのキャリア研修でOPQを活用しています。研修時と採用選考時のOPQ結果を比較し、変化している尺度について、その理由を振り返ってもらっています。データを基に振り返ることにより、深い内省を促すことができていると感じています。
個性を生かした「成功するチームビルディング」の導入
組織開発
業種:小売
企業規模:5,000人
プロジェクト発足に際してOPQを活用してメンバーを選定しています。プロジェクトには様々な役割を担う人材が必要です。目立つ人ばかりを集めるのではなく、チームタイプ尺度を参考に多様な人材でチームを作ります。このチームビルディングによってプロジェクトが円滑に進むようになりました。
上司と部下のコミュニケーション活性化
組織開発
業種:メーカー(食料品)
企業規模:40,000人
昇格者にOPQを実施し、上司から結果をフィードバックしています。このフィードバック面談の際に上司から今後の役割期待を伝え、対話することで相互理解を深めています。現場から好評を得ています。
研修効果向上のための最適なグループ分けの実施
組織開発
業種:メーカー(電気機器)
企業規模:500人
新入社員研修の受講者グループ分けにOPQを活用しています。以前は活性化しないグループがありましたが、各グループにリーダータイプとアイデアマンタイプを配置することで改善され、受講態度と学習効果に前向きな変化がありました。
メンターとメンティの相互理解促進による育成力の向上
組織開発
業種:メーカー(その他製品)
企業規模:2,000人
メンター研修にOPQを活用しています。以前はメンターがメンティをよく理解できていなかったり、指導方法がメンティに合っていなかったりといった問題がありました。OPQの導入により、メンティの個性に合わせたメンタリングがやりやすくなりました。
ストレスマネジメントを促進して、離職防止を図る
パフォーマンスマネジメント
業種:金融
企業規模:2,000人
新入社員のストレスマネジメントにOPQを活用しています。OPQ結果(ストレス耐性リポート)を本人と上長にフィードバックすることで、職場でのコミュニケーションが活性化し、上長が新入社員の変化を見逃さないようになりました。離職防止の一助となっています。
業績向上に繋がる営業マネジメント支援
パフォーマンスマネジメント
業種:小売
企業規模:10,000人
営業マネジャーの指導力強化にOPQを活用しています。営業マネジャー研修で全営業社員のOPQデータ分析から判明した業績向上につながるコンピテンシーとその開発方法を教え、OPQフィードバックを通じて部下の行動変容を促すスキルの訓練を行いました。伸び悩んでいた営業社員の業績が向上した事例が複数見られました。
グローバルでのハイポテンシャル人材の発掘育成
グローバルタレントマネジメント
業種:メーカー(輸送用機器)
企業規模:20,000人
全世界の社員を対象としたハイポテンシャル人材の選抜と育成にOPQを活用しています。OPQを含む様々なアセスメントの結果を候補者にフィードバックして、能力開発を促します。また、選抜された人の戦略的配置を検討する情報としてもOPQが使われています。
管理職登用におけるダイバーシティ推進
ダイバーシティマネジメント
業種:メーカー(医薬品)
企業規模:5,000人
女性のマネジャー候補者の研修でOPQを活用しています。受講者は事前にOPQを受検して、研修の際に結果のフィードバックを受け、自己理解を深めます。その後の上司とのキャリア面談で自己理解を踏まえた対話により、管理職に対する前向きな意識を持ってもらいます。
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タレントマネジメントの導入
タレントマネジメントの導入
タレントマネジメントを行う際、何をどのように進めていけば良いのでしょうか?
これまで多数のクライアントの導入支援を行ってきた経験に基づき具体的なプロセスを解説します。
タレントマネジメントを導入しようとお考えになった際に、具体的にどのようなプロセスが発生するのか、モデルケースの一例をご紹介します。
(1) 目標の明確化
まず、タレントマネジメントを導入することで、「どのような組織目標を達成するか」を明確にしていきます。組織目標の達成のために、どのような人事戦略が必要かを検討し、重要な施策から優先的に実施します。
タレントマネジメント導入によって、「何を・いつまでに・どう実現していくか」を明確にすることが重要です。
当社によくご相談いただく目標の例を、以下に挙げます。
・将来の経営を担うハイポテンシャル人材として、集中的に育成すべき人材を特定し、必要な経験を積ませ、各階層に十分な候補者群を作りたい。
・ 特定の職種、またはマネジャーやエグゼクティブのポテンシャルを持つ人材を採用したい。
・ 新規事業創造のポテンシャルを持つ人材を特定し、集中的な教育や経験の機会を与え、新規事業をおこしたい。
・ 人事制度改革の一環として、中堅社員のマネジャー適性および専門職適性を把握したい。
・人材マップを作成し、適正配置を実現したい。
(2)人材要件の定義
人事戦略を策定したあと、多くの場合必要になるのは人材要件の定義です。たとえば、経営層へのポテンシャルの高い人材を特定して育成したい場合、経営層に求められる要件を定めなくてはなりません。適正配置を達成したい場合、各職種やポストの人材要件を定めなくてはなりません。マネジャーへの抜擢や、新規事業創造人材の育成などについても、すべて同様のことが言えます。
日本エス・エイチ・エルでは、豊富な事例や研究知見をもとに、適切な人材要件をご提案できるだけでなく、社員のタレントアセスメントと結果データの分析を実施することにより、クライアント独自の経営環境で求められる人材要件をご提案いたします。分析は、現在のハイパフォーマーのコンピテンシーを明らかにするだけではなく、今後の事業環境の変化に対する順応力やストレス耐性など、様々な切り口で行うことが可能です。
クライアントの経営環境や業務特性に併せて、「独自の人材要件」を設計できるのが日本エス・エイチ・エルのタレントマネジメントソリューションの特長です。
(3)社内の人材「見える化」
将来の経営を担うハイポテンシャル人材の育成や、適正配置の達成、能力開発をトータルで行うならば、全社員のポテンシャルを「見える化」することが有効です。
社内にどのようなポテンシャルをもつ人材がどれくらいいるのかを把握することで、今後の採用計画、育成計画、ポストへの抜擢など、すべての人事施策を円滑に進められます。全社員にタレントアセスメントを実施し、人材データベースで管理することをおすすめします。
タレントアセスメントにおいては、世界標準の開発技術をもつSHLのパーソナリティ検査OPQをお使いいただけます。
(4)タレントマネジメントの実行
社員のタレントアセスメントが完了したら、いよいよ目的に沿った人材登用や配置配属、育成、採用を行っていきます。ここで重要なのは、「今できる人」だけを見るのではなく、「将来を見据えて人材を意識的に育成していく」ことです。SHLのアセスメントは、人材のポテンシャルを可視化できるところに強みがあります。ぜひ、個々人のポテンシャルを最大限に発揮させる施策を行ってください。
タレントアセスメントは、組織を最適化するだけでなく、個人の能力開発にも有効です。アセスメント結果の適切なフィードバックによって正しい自己理解を促進できれば、それが能力開発、意欲形成、キャリア開発、定着性の向上、エンゲージメントの向上につながっていきます。
(5)目標の検証、今後の改善など
タレントマネジメントは一度で完結するものではなく、常に経営環境の変化と自社の組織および人材をとらえ、組織の最適化、戦力強化を目指す継続的な取り組みです。タレントマネジメントは人間の行動や成長に影響を与えますので、短期的な効果が出づらい側面があります。しかし、取り組みがうまく機能したか、もしくは機能不全に陥っているかを常に監視し、改善し続けることで、常に目標の達成に向かっていることを検証し続けることが必要です。
ソリューション一覧
ソリューション一覧
様々な人事課題を解決するための日本エス・エイチ・エルがご提供する
タレントマネジメントソリューションをご紹介します。
人材可視化
社員の属性などの人材情報を可視化して、経営・事業戦略と人材・組織とのギャップを明らかにし、組織・人材に関する問題の発見、人事施策の導入や見直し、人事的な意思決定の改善などに役立てます。
階層、部門、職種に求められる人材要件を定義するための調査分析、社員の個人情報(業績、コンピテンシー、ポテンシャル)を収集するためのアセスメントや仕組みの開発、それらの導入と運用を支援します。タレントマネジメントの基礎となる取り組みです。
人材データ分析
(ピープルアナリティクス)
人材に関連するデータを集め分析することで、効果的にタレントマネジメントを行うための知識が得られます。分析によって組織・人材における問題や高業績者のコンピテンシー等が明らかになるため、採用、配置、育成、組織開発などの人事施策を改善できます。
ご要望に応じて、分析対象の選定、目的変数・説明変数の検討、分析手法の採択、分析作業、分析結果の活用をサポートします。
人材要件定義
選抜、配置、任用、能力開発などの人事施策を行うには適切な基準が必要です。人材要件を定義することで適切な基準と運用方法がわかります。
職務遂行に必要なコンピテンシーをアセスメントデータの分析、高業績者へのインタビューなどを通じて特定します。調査対象の設定、調査(適性データ収集、データ分析、インタビュー、アンケートなど)の実施、コンピテンシーの決定、コンピテンシーの活用を支援します。
サクセッションプラン
重要なポジションや役職の後継者の育成や人材配置を計画的に行う組織戦略を支援します。アセスメントによるポテンシャル測定、ポジションごとに求められる要件と候補者の経験を可視化し、適切な後継者計画のサポートをします。SHLグループの研究から得られたリーダーシップの成否を分けるコンテクストを元に、リーダーシップの経験とポテンシャルの情報を駆使して、ポジションに最適な候補者リストを可視化するプラットフォームを提供します。
ハイポテンシャル人材
ハイポテンシャル人材プログラムの設計と運用を支援します。ハイポテンシャル人材の要件定義、選抜基準の設定、選抜方法の開発と設計、アセスメントの実施、アセスメント結果のフィードバック、選抜された候補者への能力開発施策の立案と運用などを行います。SHLグループの研究により確立されたハイポテンシャル人材モデルと、数万人規模の世界の管理職・経営職のデータとの比較分析により、最適なハイポテンシャル人材の発掘と育成が可能です。
人材選抜
ご要望にあわせて求める人材(階層別、部門別、職種別、経営リーダー、マネジャー、新規事業創造、デジタル、グローバル、専門職など)の人材要件を定義し、適切な選抜方法とそのプロセスを設計し、その実行と運用を支援します。タレントアセスメントツール(テスト、演習など)を提供するだけでなく、クライアントが自立的に選抜(タレントアセスメント)を改善できるよう社内アセッサー訓練も提供しています。
妥当な基準と選抜方法を用いることで人材選抜の成功率を高めることができます。
適正配置
適材適所を実現し、社員一人ひとりの可能性を最大限に引き出します。社内の各ポストに求められる人材要件と社員の人材情報を結びつけ最適な配置を実現することで、組織の生産性と社員のエンゲージメントを向上させます。
階層、部門、職種に求められる人材要件を定義するための調査分析、社員の個人情報(業績、コンピテンシー、ポテンシャル)を収集するためのアセスメントの実施、各人材要件と個人情報との関連付けによる活躍予測モデルの作成、人材配置の仕組みづくりと運用を支援します。
能力開発
タレントアセスメントにより、受検者の能力開発に適した職務と環境、受検者の強みと弱み、好む学び方などの情報が得られることで、社員一人ひとりに最適な能力開発の機会を提供できます。
アセスメント結果の(本人と指導者への)フィードバックを通じて、能力開発課題と目標を明確にして、行動計画を作り、本人に前向きな行動変容を促します。
タレントアセスメントの実施、専門家によるフィードバックの実施、社内でフィードバックを行うためのフィードバックトレーニング、コンピテンシーと研修プログラムとの関連付け、ラーニングマネジメントシステムとの連携を提供します。
チームビルディング
チームパフォーマンスの向上のため最適なチーム作りを支援します。
タレントアセスメントでチームメンバーの得意な(苦手な)チーム内役割とコミュニケーションスタイルをとらえることで、メンバーのタイプとメンバー間の相性に起因するチームの問題を解決します。
アセスメント結果データの分析による最適なチームの組み合わせモデル開発、タレントアセスメントを使ったメンバーの選抜、アセスメント結果のフィードバックによるメンバー同士の相互理解の促進などでチームビルディングを支援します。
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タレントマネジメントが解決する人事課題
タレントマネジメントが解決する人事課題
なぜ今、「タレントマネジメント」が多くの注目を集めているのでしょうか。
ここでは、タレントマネジメントによってどのような人事課題を解決しうるかを解説していきます。
経営者にとって免れることができない課題は、「組織を強化し業績を上げる」ではないでしょうか。「これまでの成功体験がうまく機能しなくなってきた」「事業環境変化に合わせた新しいビジネスと組織の再構築が必要だ」等、早急に対応する必要性を感じている経営者の方々も少なからずいらっしゃるのではないかと思います。
タレントマネジメントとは、現代のように目まぐるしく状況が変わる時代、企業継続のために価値を生み出し続ける、それを実現する「タレント(才能ある人)」に注目する──あくまでも「組織戦略」を前提とした考え方だと、私たちは考えています。
人事を担当するお客様からは、「うちには人材がいない」というお声がよく寄せられます。しかし、一度ぜひお考えいただきたいのです。社員の“ポテンシャルを含めた能力”をすべて、把握していますでしょうか。
大きな環境の変化を伴うビジネスの転換を余儀なくされている今だからこそ、組織の中にいる「タレント」を見直してみませんか。どこにどんな「タレント」がいるかを把握しておくだけでも、情勢の変化に応じた迅速な対策ができるでしょう。
タレントマネジメントが
解決する9つの課題
01
ハイポテンシャル人材の発掘・育成
「ハイポテンシャル人材」とは会社が将来を託すリーダー候補者のことです。次世代リーダーの選抜育成プログラム、選抜型研修や後継者計画を効果的に実行するためには、適切な候補者を選抜しなければいけません。また、選抜後は候補者の特性と会社のニーズに応じて戦略的な異動や業務の割り当てを行い、仕事の経験を通じて真のリーダーに育てていきます。
02
人材棚卸し(人材可視化)
人材を定量的に評価、把握することを人材棚卸しといいます。人材の評価軸の主だったものは業績、コンピテンシー、ポテンシャルの3つ。人事評価(業績、能力、360度等)に加え、アセスメント(パーソナリティ検査、知的能力検査、意欲検査等)を活用したポテンシャル評価、職務経験や資格等の情報を集め、様々な人事施策に活用します。タレントマネジメントを行う上で欠かすことのできない取り組みです。
03
人材データ分析・人材要件定義
人材要件を作るには大きく分けてインタビューとデータ分析の二つの方法があります。インタビューでは経営・事業のトップ、人事、マネジャー、高業績者に話を聞き、発言内容から定性的に人材を定義します。データ分析では業績・能力評価、アセスメント結果等のデータを分析することで定量的に人材を定義します。
04
人材選抜・配置・任用
適材適所がタレントマネジメントの本質です。採用、配置、任用登用、昇進昇格、社内選抜を正しく行うことが適材適所の実践であり、タレントマネジメントの中心的な活動となります。
05
能力開発・キャリア開発
能力開発は個人の能力を強化し、生産性を向上させること。キャリア開発は社員の自立的なキャリア形成を支援し、やりがいのある仕事を与えることで生産性を向上させることを指します。新入社員のオンボーディング、階層別研修、部門別研修、選抜型研修、OJT、コンピテンシー開発、キャリア開発プログラム等、あらゆる能力・キャリア開発プログラムは人を育てるためのタレントマネジメントです。
06
組織開発
組織開発とは、組織の問題を解決し、よりよい組織に変化するための制度や仕組み、組織的な取り組みのことです。社員エンゲージメントの向上や上司部下コミュニケーション改善、企業理念の浸透、定着率の改善などを実現します。
07
パフォーマンスマネジメント
パフォーマンスマネジメントとは部下(社員)が自らの力で目標達成できるよう、具体的な業務について対話し、気づきを与え、支援し、時には関与する一連の上司(会社)による支援活動のことです。人よりも仕事に、能力よりもタスクに焦点をあてます。業務と部下(社員)についてよく知っていることがこの活動を円滑に行う条件です。
08
グローバルタレントマネジメント
世界中の人材を対象に国を越えて行うタレントマネジメントをグローバルタレントマネジメントといいます。特定地域におけるタレントマネジメントに比べて、多様な人と仕事と環境を扱うため複雑な判断が求められる一方、多様な人材の組み合わせによる新しく強い組織作りが可能です。
09
ダイバーシティマネジメント
ダイバーシティとは多様性のことです。多様な人材を活用することでより組織を強化する取り組みをダイバーシティマネジメントといいます。多様な人材のそれぞれの持ち味を組み合わせることで新しい価値を生み出し、組織の成長につなげていくことを目指しています。
FAQ – その他
タレントマネジメントに関するFAQ
タレントマネジメントに関するよくあるご質問にお答えします。
その他
代表的なタレントマネジメントシステムとその特徴を教えてください。
グローバルにおける代表的なタレントマネジメントシステムはWorkday、SAP SuccessFactors、Oracle Taleo、Cornerstoneなどです。SHLグループのタレントアセスメントは、これらのシステムと統合することが可能で、効率性の向上などに寄与しています。上記いずれのタレントマネジメントシステムも世界中で活用されているため、必要な機能は一通り揃っています。
日本エス・エイチ・エルの行っているタレントマネジメントを教えてください。
突飛な取り組みをやっているわけではなく、人の特性をよく把握した上で、採用や配置、育成を行っています。具体例で申し上げると、観察される行動だけではなくアセスメント結果も踏まえての面談を定期的に行っていたり、本人の特性を踏まえて役割の付与をしたりしています。また、将来のリーダー候補となる人材に対して、タフアサインメント(難しいが達成する過程で様々な成長を促すような業務経験)を与えて、成長を促進するような機会を意図的に作り出す取り組みなどをしています。ポイントは、業績、行動、ポテンシャルなどの情報を偏りなく勘案することで、より妥当な意思決定ができるように意識している点です。
育成目的で社員にアセスメントを実施しました。このアセスメントデータを選抜目的で利用するには、改めて個人情報の利用許諾が必要ですか?一度取得した個人のデータを様々なタレントマネジメントで使うためにどのように事前の許諾を得ればいいですか?
利用目的が変更になるのであれば、改めて利用許諾が必要です。個人情報保護法第15条にある通り、雇用管理情報についても目的の明示が求められています。人事労務管理活動全般に利用する旨を明記して、利用が想定される場面を列挙する必要があります。説明責任が果たせて、従業員と組織の双方にとってメリットがある利用方法を考える必要があるということです。
FAQ – アセスメント
タレントマネジメントに関するFAQ
タレントマネジメントに関するよくあるご質問にお答えします。
アセスメント
客観アセスメントから得られた人材のポテンシャル情報はどの程度重視すべきですか?
ポテンシャル情報をどの程度重視すべきかは活用場面により異なるため、一概には申し上げられません。ポテンシャル情報は、その人材のまだ顕在化していない可能性を見出すために使います。担当したことがない職務における成功の可能性を予測したり、現職務であっても顕在化していない強みを特定し顕在化するのを促進したりすることに活用します。変化の激しい環境において、ポテンシャル情報の重要性は特に高まります。
タレントアセスメントを使わずにタレントマネジメントを行うことの問題点は?
問題点は未来を予測しづらくなることです。人事データ(業績評価、異動履歴、勤怠履歴、取得資格など)のほとんどは過去の実績に基づくもの。これらの情報からわかることは、経験した職務・環境に対する能力・適性の有無や強弱であり、未経験の職務・環境に向くかどうかの判断材料として十分とは言えません。従来の人事データから低業績者の優秀な点を見出すことは困難です。これでは人材の活用可能性をどんどん狭めてしまいます。ポテンシャルに基づき、適正配置を行ったり、若いうちからリーダー経験を積ませたりするためにタレントアセスメントが必要なのです。
なぜパーソナリティ検査結果から個人のポテンシャルがわかるのですか?
コンピテンシーを発揮している人に共通するパーソナリティ因子があることが実証研究でわかったからです。当社では、これらのパーソナリティ因子をもとにコンピテンシーの発揮可能性を予測するモデルを開発しています。簡単に言うと、コンピテンシーを発揮している人にパーソナリティが似ていることを持って発揮可能性がある、としています。
OPQ結果の有効期限はありますか?
SHLでは、パーソナリティ検査OPQの利用期限はおよそ2年間としています。可能であれば定期的に受検してデータを更新することをお勧めします。もちろんパーソナリティは比較的安定した特徴を持ちますので、多くの人は再受検しても極端な変化は起きませんが、人によっては環境の変化や経験等の影響により、パーソナリティが変化することがあります。
後継者計画を進める上でアセスメントは役立ちますか?どんなアセスメントを実施したらいいですか?
後継者計画でもアセスメントは重要な役割を果たします。候補者の現在の業績や行動からでは、対象となるポジションに必要な能力が備わっているかを判断しきれないところが後継者計画の難しさです。アセスメントによって、情報を補うことができます。
どのようなアセスメントが最適かは状況により異なります。一般的には、人数が多い階層には適性検査のような一度に多くの人が受検でき且つ幅広い情報を安価に取得できるアセスメントが用いられます。一方で、人数が少ない上位職には、アセスメントセンター(上位職が遭遇する仕事場面を模した中でどう行動するのかを観察・評価するアセスメント)が取り入れられています。
FAQ – 人材要件定義
タレントマネジメントに関するFAQ
タレントマネジメントに関するよくあるご質問にお答えします。
人材要件定義
典型的なメンバーシップ型の会社でもジョブディスクリプション(職務記述書)を作れば適材適所を実現できますか?ジョブディスクリプションの作り方を教えてください。
適材適所の実現に必要なことは、「人についてよく知ること」と「職務についてよく知ること」です。ジョブディスクリプションを作成することで「職務についてよく知ること」ができます。メンバーシップ型の会社がジョブディスクリプションを作成すると、その職務に従事する人をどのように確保、育成、配置すべきかの検討が進みます。職種別採用、一部職種のジョブ型雇用への切り替えなどの議論を通じて、適材適所が推進される一助となります。
ジョブディスクリプションの作り方は、以下のURLに詳細な方法とサンプルが載っています。ポイントは、「果たすべき責任と成果の明確化」と「そのために必要な知識、経験、スキル、能力の明確化」の2つです。
indeed 「How to Write a Job Description」(英語サイト) https://indeedhi.re/30g0siL
どのような観点(基準)で次世代リーダー候補を選抜すればいいですか?
SHLの行った世界規模の調査によって、ハイポテンシャル人材(次世代リーダー候補)の要件が3つであることがわかりました。
1.能力(Ability):上位職に求められる能力を持っていること。
2.野心(Aspiration):より上位職に就きたいという上昇志向を持っていること。
3.エンゲージメント(Engagement):組織への愛着心を持っていること。
現在の高業績者に対して、上記3つの要件を満たしている人材を客観アセスメントで明らかにして選抜することによって、選抜した時の成功確率が上昇します。
何をもって「優秀」と定義すればいいですか?
会社は役割の集合体です。優秀さは役割に付随する言葉です。ある役割において他の人よりも優れている人を優秀といいます。役割や機能を前提としない優秀さは存在しません。どれだけ役目を果たすことができたかをもって優秀と定義すればよいのです。ただし、役割ごとの定義が必要です。
将来の経営者に求められる人材要件を定義したいのですが、今の経営陣は参考になりません。どのようにやればいいですか?
外部の知見を活用しましょう。リーダーに関しては国内外で非常に多くの研究がなされており、リーダーの人材要件についても多様なモデルがあります。ただし、こうしたリーダー研究は普遍的であるため、自社の事情を踏まえた現実的な人材要件に修正する必要があります。人材要件定義の過程で現経営陣にアセスメントを実施して、外部の経営人材との比較分析を行うようなステップを踏んでみてください。その結果をもとに経営陣と議論をすれば、自社なりのあるべき姿が見えてくるのではないかと考えます。
FAQ – 成功のヒント
タレントマネジメントに関するFAQ
タレントマネジメントに関するよくあるご質問にお答えします。
成功のヒント
人材データに基づく社員の適正配置を進める際、どのような部署から試せばいいですか?
次の2つの条件を満たした部署から始める事をおすすめします。①経営戦略上の重要度が高い部署、②配置する人材によって成否が大きく分かれる部署。
この条件を満たしていれば、経営層の関心や協力を得られやすく、投資対効果も測定しやすいため、試行するには最適です。やってもやらなくても変化が感じられないような部署で始めてしまうと、ムダな取り組みに見えてしまいます。
タレントマネジメント導入の抵抗勢力にどのように対処すればいいですか?
タレントマネジメントは経営戦略実行のための取り組みなので、その取り組みに抵抗する事は、経営戦略の実行を阻害することを意味します。とはいえ、こうした正論を振りかざしても人は動きません。こちらの意図や考えを伝えたら、相手が何を考えているのかを丹念に聞いてください。相手と自分の共通点を探り、共有できる目標を設定できるのかを探ります。自分は絶対に正しいという姿勢を決して出してはいけません。言うは易く行うは難しですが、一緒に頑張りましょう。
どうすればタレントマネジメントに経営層を巻き込めるでしょうか?
タレントマネジメントは経営戦略を実行するための人と組織に関する取り組みのため、経営層が関与しないタレントマネジメントは存在しません。経営層が実現しようとしていることに対して、人や組織の観点でどのような課題が存在しているのかを明確化することが重要です。
アセスメントの費用対効果はどのように算出すればいいですか?
効果測定には次の3つのレベルが存在します。
1.関係者の満足度(例:選抜したリーダーに対する部署長の満足度)
2.KPIなどへのインパクト(例:エンゲージメントサーベイの得点の変化)
3.売上、利益などの財務的指標への影響度
それぞれ関連する情報を収集し、導入前後で比較することで効果測定が可能です。
ただ、1⇒3の順番で算出の難易度が上がっていきます。それに伴い、必要な専門知識も増え、算出に必要な時間や手間も増加していきます。これらの算出コストも含めて手法を検討するべきですが、必ず効果測定をする方法はあります。効果測定の方法を決めることが、施策が成功する一つの条件ですので、是非導入前にご検討ください。
チーム業績の要因解析を行う上で注意すべき点を教えてください。
考慮すべき観点を列挙します。
・チームの業務特性(1つの成果を皆で作る or 各自の成果の合計がチーム業績)
・チームリーダーのマネジメントスタイル、能力、経験、スキル
・チームメンバーの能力、経験、スキル
・リーダーとメンバーの相性
・構成員の人材タイプのバランス
・心理的安全が確保されている度合い
・外部環境
・チームが結成されてからの年数
社員に真面目に適性検査を受けてもらうためにどんなことをすればいいですか?
実施目的の説明とフィードバックの2点が重要なポイントです。社員の協力を得るためには、丁寧な説明が欠かせません。「仕組みや効用がよく分からないもので自分の人生を左右されるのではないか」、「協力しても有効活用されないのではないか」などの疑問に対して、一つ一つ答えていきます。そして、結果をフィードバックすることを約束します。自分自身の業務改善やキャリア開発に役立つことが分かれば真剣に受検してくれます。
FAQ – 具体的な施策
タレントマネジメントに関するFAQ
タレントマネジメントに関するよくあるご質問にお答えします。
具体的な施策
タレントマネジメントシステムを活用して後継者育成プログラムを作る方法を教えてください。
4つのステップがあります。
1.後継者育成が必要なポジションを特定してください。
2.そのポジションで成果を出すために必要な人材要件を定義します。
3.候補者となりうる人について、定義した人材要件に関連する人事情報を集め、一覧化します。
4.不足している部分について、どのように育成するのか、外部から採用して補填するのかを検討します。
能力不足のマネジャーであっても育成するしか手がありません。40、50代のマネジャーに行動変容を促す方法を教えてください。
制度上降格させることができないとしても、ラインマネジャーの役割から外すことはできるという前提で二つの方法をご提案します。
1.下の世代(30代)のマネジメント力強化です。経営知識と修羅場経験の提供、経営層によるメンタリングを行い、若いマネジャーをどんどん輩出します。後輩に自分の立場が脅かされるという危機感を持たせます。
2.成果主義の徹底です。業績と部下育成の成果指標を作り、評価します。一定期間、成果責任を果たせなかった場合は、ラインマネジャーの任を解きます。
ハイポテンシャル人材プログラムに選抜された人に選ばれたことを伝えるべきですか、通常の人事異動と思わせるべきですか?
SHLが行った国際的調査においても、ハイポテンシャル人材に選抜されたことを伝える会社と伝えない会社は半々という結果になりました。ハイポテンシャル人材は高いアスピレーションとエンゲージメントを持っています。本人を意欲形成するのであれば伝える方がよいですが、選ばれなかった人の中にはやる気を失う人もいます。両者を天秤にかけメリットのある方を選ぶべきです。
全社員を底上げするためにボトムアップ型の育成をやるべきですか?それとも特定の才能ある人だけを選んで選抜型の育成をやるべきですか?
育成したい要素によります。全社で共有している価値観や能力については、ボトムアップ型にするべきです。その他については、選抜型をおすすめします。なぜなら、全員に同じ育成施策を行っても、同じように育ってくれません。人には向き不向きがあり、本人の適性にあった育成が最も効果的かつ効率的です。また、意欲のない人に研修を実施しても全く吸収してくれません。人は「育てる」ではなく、「育つ」と思って機会を提供する方が良いのではないかと考えます。
10年かけて新規事業創造のエコシステムを構築したいと考えています。新卒採用をうまく活用する方法はありませんか?
日本エス・エイチ・エルは新しい事業を起こし軌道に乗せた人材の特徴を分析し、その傾向を明らかにしました。事業創造の経験がない人の中にも、新規事業創造人材のポテンシャルをもつ方は存在します。もし、そのような人材を新卒採用で採ろうというのであれば、新人にも事業創造の機会を与えることを明示して起業家志望の学生を集めるべきです。加えて育成にも力を入れるべき。社内ビジネスコンテストの開催、受賞者を事業責任者として出資とその他リソースの提供、撤退基準の明確化、失敗しても再挑戦できる組織風土の醸成等が必要です。新しい事業はコラボレーションから生まれます。協業やM&Aを含め様々な方法を模索してください。
ハイポテンシャル人材のエンゲージメントを高める方法を教えてください。
SHLの調査では、ハイポテンシャル人材のエンゲージメントを高めるために最も重要な施策は「サポート体制のあるハイリスク・ハイリターンな職務」でした。難しいが成し遂げた時の成果が大きく、本人への見返りも大きい仕事をハイポテンシャル人材は求めています。「サポート体制がある」という点も重要です。メンターやコーチの存在など、修羅場での成功を支援する姿勢を会社が示せば、ハイポテンシャル人材のエンゲージメントは高まります。
FAQ – 人事データ整備と人材可視化
タレントマネジメントに関するFAQ
タレントマネジメントに関するよくあるご質問にお答えします。
人事データ整備と人材可視化
全社員のポテンシャルをデータで把握すると何ができるのでしょうか?事例を交えて教えてください。
ポテンシャルデータの把握によって、未来に向けての予測力を上げることができます。例えば、「まだ誰もやった事がない業務を誰が担当すれば成功するのか」などは、過去の人事評価から予測することは困難です。ポテンシャルデータの活用場面を以下に列挙します。
・全社員のポテンシャル把握
・コア人材のキャリアパス作り
・社員のポテンシャルにおける強みや能力の発見
・能力開発
・育成を目的とした戦略的配置
・ポテンシャルに基づく異動と登用
・次世代リーダーの発掘と育成
・現有戦力の新規ビジネスへの活用
・プロジェクトチームの編成
・退職リスク予測
人材可視化のために社員の何を可視化したらいいですか?
一般的には、業績、能力、スキル、経験、資格、ポテンシャルを可視化することをお勧めしています。一方で、人材可視化は手段であって目的ではありません。目的を明確化し、目的達成のために必要な情報という角度で考えれば必要な情報が明確になってきます。
タレントマネジメントをやる時に揃えておくべき人材データは何ですか?
タレントマネジメント導入の目的をはたすためには必要なデータを優先的に揃えるべきです。一般的には以下のデータが必要です。
①経験・実績に関するもの
履歴書、職務経歴書、異動・出向履歴、プロジェクト履歴、研修受講歴、評価査定履歴、賞罰歴など
②コンピテンシーに関するもの
能力評価、スキル評価、取得資格、研究分野、360度評価結果、コンピテンシー評価など
③ポテンシャルに関するもの
適性検査結果、パーソナリティ、エンゲージメント、モチベーションに関するデータなど
これらのデータがそろっていれば、何か検証すべき課題(ex. ある役職で活躍している人材の特徴や経験を知りたい)が現れたときに、すぐに分析を行うことができます。
OPQを実施して部門ごとの管理職にどのような違いがあるかを調べようと考えています。分析のサンプル数を確保するため部門を混ぜて分析するとどのような問題が起こりますか?
混ぜてしまった部門については部門ごとの特徴を捉えることができません。一方、管理職が極端に少ない部門を他部門と混ぜずに分析しても、サンプル数が少な過ぎる場合には個々人の特徴でしかなく、統計的な解釈が難しいかもしれません。部門ごとの管理職の違いをどんな人事施策に活用するかを踏まえ、分析の対象を決めてください。
FAQ – タレントマネジメントの基本・導入ステップ
タレントマネジメントに関するFAQ
タレントマネジメントに関するよくあるご質問にお答えします。
タレントマネジメントの基本・導入ステップ
タレントマネジメントって何ですか?
タレントマネジメントとは、会社の戦略を遂行するために行う人に関するあらゆる取り組みのことです。採用、異動、任用、昇格、報酬、評価、パフォーマンス管理、後継者計画、評価面談、能力開発、キャリア開発、組織開発、やりようによってはプライベートな交流ですらタレントマネジメントに含まれます。
経営戦略・事業戦略によってタレントマネジメントの目標、すべきこと、方法、手段、対象者などが決まります。また、組織人事における問題を解決するための取り組みでもあります。戦略が円滑に実行されること、組織人事の問題が解決されることがタレントマネジメントの意味と価値です。
タレントマネジメントを行う上でどのような準備が必要ですか?
課題を明確にすることが重要です。経営戦略を実行していくにあたり、人に関してどのような課題を解決すべきかが明確になれば、どのようにタレントマネジメントを行うべきかが明確になります。例えば、「5年以内に第二の柱となる事業を作る」という経営戦略を実行するためには、新規事業創造を担える人材の発掘育成と組織開発が課題になります。課題がはっきりしているほど、タレントマネジメントはうまく機能します。
タレントマネジメントの目的は?
組織目標の達成です。組織目標の達成のために事業戦略があり、事業戦略の実行のために人材の確保、育成、活用が必要です。これらすべての人事活動をタレントマネジメントと呼びます。詳しくは“SHLが考える「タレントマネジメント」”をご覧ください。
なぜタレントマネジメントは注目されるようになったのですか?
グローバル化とデジタル化の2点が大きく影響しています。経済のグローバル化によって、グローバル展開をする企業を中心に、世界中にいる社員の力を最大限発揮させるための客観的なマネジメント手法が必要になりました。これに拍車をかけたのがデジタル化です。デジタル化により競争環境が激変し、企業が必要とする人材も急速に、大きく変化しました。競争優位性を生み出す源泉がハードウェアからソフトウェアに変化し、不確実性へ対処する重要度が高まり、必要な人材は明らかに変化しました。こうした背景から、事業の変化のスピードに合わせて柔軟に人材を確保、育成、配置するタレントマネジメントが注目されるようになりました。
タレントマネジメントを導入するメリット・デメリットは?
メリットは、業績向上を始めとした組織目標の達成が推進されることです。業績の向上は最終的な成果の一つであり、様々なKPIの達成や関係者の満足度の向上もメリットに含まれます。一方でデメリットは、「タレントマネジメント」を行うことそのものが目的となった時に発生します。タレントマネジメントは手段であり、手段が目的化した時に様々な非効率性と人材の意欲の低下などが起こります。
どのような会社にお勧めですか?
成否が人によって大きく分かれる仕事が多い会社ほど、タレントマネジメントを導入することをお薦めできます。仕組みやマニュアルがしっかりと整備され、誰がやっても同じような結果になる仕事が多い会社では、タレントマネジメントによる大きな利益は期待できません。加えて、事業の変化に伴いリーダー人材の特性を変革していく必要がある等、組織人事上の問題が顕在化している会社にもお勧めです。課題が明確であれば、タレントマネジメントが機能する可能性が高まります。
中小企業にもタレントマネジメントは効果がありますか?
効果があります。なぜなら、タレントマネジメントを適切に行うことによって従業員の戦力化スピードの加速や定着率の改善が図られて、ひいては業績に影響を及ぼすからです。従業員の能力を最大限活用する必要性があるのは、大企業に限りません。
タレントマネジメントの導入ステップを教えてください。
タレントマネジメントの導入ステップについて、SHLでは次のプロセスを提案します。①目標の定義、②人材要件定義、③タレントの可視化、④タレントマネジメントの実行(採用、登用、育成など)、⑤モニタリングと効果検証。詳細は、以下のページでご覧ください。⇒タレントマネジメントの導入プロセス
タレントマネジメントに関するFAQ
タレントマネジメントに関するFAQ
タレントマネジメントに関するよくあるご質問にお答えします。
SHLのタレントマネジメント
ソリューションについての
よくあるご質問
タレントマネジメントの基本・導入ステップ
タレントマネジメントって何ですか?
タレントマネジメントを行う上でどのような準備が必要ですか?
タレントマネジメントの目的は?
なぜタレントマネジメントは注目されるようになったのですか?
タレントマネジメントを導入するメリット・デメリットは?
どのような会社にお勧めですか?
中小企業にもタレントマネジメントは効果がありますか?
タレントマネジメントの導入ステップを教えてください。
人事データ整備と人材可視化
全社員のポテンシャルをデータで把握すると何ができるのでしょうか?事例を交えて教えてください。
人材可視化のために社員の何を可視化したらいいですか?
タレントマネジメントをやる時に揃えておくべき人材データは何ですか?
OPQを実施して部門ごとの管理職にどのような違いがあるかを調べようと考えています。分析のサンプル数を確保するため部門を混ぜて分析するとどのような問題が起こりますか?
人材要件定義
典型的なメンバーシップ型の会社でもジョブディスクリプション(職務記述書)を作れば適材適所を実現できますか?ジョブディスクリプションの作り方を教えてください。
どのような観点(基準)で次世代リーダー候補を選抜すればいいですか?
何をもって「優秀」と定義すればいいですか?
将来の経営者に求められる人材要件を定義したいのですが、今の経営陣は参考になりません。どのようにやればいいですか?
具体的な施策
タレントマネジメントシステムを活用して後継者育成プログラムを作る方法を教えてください。
能力不足のマネジャーであっても育成するしか手がありません。40、50代のマネジャーに行動変容を促す方法を教えてください。
ハイポテンシャル人材プログラムに選抜された人に選ばれたことを伝えるべきですか、何も言わす通常の人事異動と思わせるべきですか?
全社員を底上げするためにボトムアップ型の育成をやるべきですか?それとも特定の才能ある人だけを選んで選抜型の育成をやるべきですか?
10年かけて新規事業創造のエコシステムを構築したいと考えています。新卒採用をうまく活用する方法はありませんか?
ハイポテンシャル人材のエンゲージメントを高める方法を教えてください。
アセスメント
客観アセスメントから得られた人材のポテンシャル情報はどの程度重視すべきですか?
タレントアセスメントを使わずにタレントマネジメントを行うことの問題点は?
なぜパーソナリティ検査結果から個人のポテンシャルがわかるのですか?
OPQ結果の有効期限はありますか?
後継者計画を進める上でアセスメントは役立ちますか?どんなアセスメントを実施したらいいですか?
成功のヒント
人材データに基づく社員の適正配置を進める際、どのような部署から試せばいいですか?
タレントマネジメント導入の抵抗勢力にどのように対処すればいいですか?
どうすればタレントマネジメントに経営層を巻き込めるでしょうか?
アセスメントの費用対効果はどのように算出すればいいですか?
チーム業績の要因解析を行う上で注意すべき点を教えてください。
社員に真面目に適性検査を受けてもらうためにどんなことをすればいいですか?
その他
代表的なタレントマネジメントシステムとその特徴を教えてください。
SHLの行っているタレントマネジメントを教えてください。
育成目的で社員にアセスメントを実施しました。このアセスメントデータを選抜目的で利用するには、改めて個人情報の利用許諾が必要ですか?一度取得した個人のデータを様々なタレントマネジメントで使うためにどのように事前の許諾を得ればいいですか?
タレントマネジメントを行っている会社は日本に何社くらいありますか?
タレントマネジメントのサービスの種類・選び方
タレントマネジメントのサービスの種類・選び方
タレントマネジメントは人に対する様々な取り組みであるため、
そのサービスにも様々なものがあります。
自社の人事課題にあったサービスとはどのようなものかについて考えてみましょう。
現在、国内で提供されている「タレントマネジメントサービス」には、大きく分けて2種類あります。人材データの整備と管理を目的とする人材管理システムと、各自の能力を知る/活かすことを目的とした人材のアセスメント(測定)とディベロプメント(開発)のサービスです。
「人材データ整備・管理」型と
「人材能力の測定・開発」型の違い
「タレントマネジメント」という言葉から、「人材のデータベース化」「人材管理システム」を想起する方も少なくないのではないでしょうか。
ここで考えていただきたいのは、会社が経営戦略を進めていく上で「どんなタレントマネジメントを求めているか」ということです。重要なのは人材配置に必要な「管理する枠組み」でしょうか。それとも「将来にわたって人材をどう活かし、どう伸ばすかを決める人の内面に関する情報」ことでしょうか。
会社の成長のためには、後者の「人材のポテンシャル」を把握し活かすことが重要である──私たちは、そう考えます。もちろん「人材のシステム管理」は必要不可欠です。しかしながら、それはあくまで情報を整理し見やすくするためのツールでしかありません。
これまで、人材を判断する情報の礎は主に「人事評価(査定)」でした。つまり「過去から現在までの実績」を基にする評価です。事業環境や社内状況が激しく変化する昨今、「これまで経験したことのない仕事や環境が与えられたとき、その人はどんな力を発揮するか」といった予測を、「実績」だけで判断するのは難しいと思います。
人材が持つ能力をいかに把握するか。そしてどんな場面・どんな戦略に活かすか。そのための第一歩として、「自社の人材がどのような能力を持っているか」、つまり「人材の能力の見える化」から始めてみませんか。人事の皆さんが考える以上に、実はさまざまな能力を持つ社員が揃っているかもしれません。
「タレントマネジメント」の
サービスを選ぶポイント
色々な「タレントマネジメントサービス」がある中で、どういった視点でサービスを選ぶのが良いのか、具体的なチェックポイントを提示しながら、解説していきます。
タレントマネジメントサービスを
選ぶ際のチェックポイント
1.経営戦略に貢献できるか
「タレントマネジメント」に求めるものを考えてみてください。人材の可視化や、人材データを整備することでしょうか。それとも、会社の業績向上や組織の戦略を実現することでしょうか。
2.経営環境の変化や、人事戦略の変化に対応できるか
人材は、職場環境や携わったプロジェクト、置かれた立場など、さまざまな要因によって変化や成長を遂げます。経営環境や人事戦略の変化、組織と人材の成長にあわせ、「タレントマネジメント」を変化させることが重要です。
3.各個人のコンピテンシーとポテンシャルを正しく把握できるか
信頼性と妥当性が担保された「タレントアセスメント」があってこその「タレントマネジメント」です。適材適所を進めていくためには、まだ経験したことのない職務や環境に対する適性を把握する必要があります。そのためには各人のコンピテンシーとともに、ポテンシャルを正しく測り、それらを考慮した人事上の意思決定を行わなければいけません。
4.さまざまな人事施策に対して、的確に対応できるか
「タレントマネジメント」は具体的な人事施策として実行されます。組織開発、後継者計画、人材の維持・確保、パフォーマンスマネジメント、採用、能力開発、キャリア開発、アセスメントなど、計画している人事施策に対して現在検討中のタレントマネジメントサービスは的確に対応できているでしょうか。
5.「タレントマネジメント」の導入後、効果検証ができるか
「タレントマネジメント」を導入したら施策の効果検証が必要です。戦略につながる成果やプロセスを指標にして効果を「見える化」します。ビジネス成果の指標としては売上、利益、事業創造など、ビジネスインパクトの指標としては昇進比率、トレーニング効果、離職率など、社員満足度の指標としてサーベイ結果などを用います。タレントマネジメントの効果を継続的に検証し、最適化し続けることが重要です。
日本エス・エイチ・エルではクライアント企業のタレントマネジメントに最適なソリューションを提供しています。
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タレントマネジメントシンポジウム「人材データの分析・活用」
タレントマネジメントシンポジウム
「人材データの分析・活用」
2018年 3月15日(木)開催
一橋大学 一橋講堂 (東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター2階)
2018年3月15日、弊社主催のタレントマネジメント・シンポジウム「人材データの分析・活用」が東京・一橋講堂にて開催されました。145社199名の人事ご担当者にご参加いただきました。※ 社名・部署名・役職等はシンポジウム当時のものです。
開催レポート
パネルディスカッションには2名のパネリストの方々にご登壇いただきました。まず、それぞれの取り組みについてお話しいただいた後、モバイル端末によるアンケートシステムを使って会場の皆様からいただいた質問に回答する形で進められました。以下、各パネリストがお話しくださった内容の趣旨を簡単にご紹介します。
中村 亮一 様
(株式会社日立製作所 人事総務本部 ピープルアナリティクスラボ)
この取り組みのそもそものきっかけは採用でどんな人材が必要か、定性的な話が多くなりなかなか具体的にすることが難しいことです。もうひとつ、事業が変化していく中、面接官の過去の経験・判断をそのまま信頼してよいのか、という私自身の問題意識もありました。
応募者や社員のデータを収集・解析し、優秀な人材、とがった人材とはどういう人かを、行動的・思考的・創造的など2軸4象限でタイプ分けして可視化しました。これが人材ポートフォリオで す。私自身は統計を専門としていたわけではありませんが、SHLを始めとしたアセスメント会社や社内で分析のできる人を巻き込み、チームを作って行いました。標準偏差の調整を頂き4つのタイプの割合が理論的に各25%になるよう軸を設定しましたが、16卒の実際の応募者や内定者のデータはそうではありませんでした。
並行して、既存社員のデータを決定木分析し、ハイパフォーマーの要素を抽出しました。併せてハイパフォーマーへのインタビューも行い、結果、新たな7つの要件を設定することができました。17卒採用では、その7つの要件を見極めるための選考手順を設計。ステップごとにどこを見るか、どう見るかを定めました。
つまり、タイプを可視化する、要件を明らかにする、選考手順に落とす。この3つによって、昨年と比べて応募者全体では大きな変化はないものの、内定者の質は明らかに変わり、タイプ別割合は我々の描く理想の方向に動きました。
日立製作所ではこの4月に「ピープルアナリティクスラボ」という組織を立ち上げました。データを分析する仕事をしています。現在は「生産性」と「配置・配属」意識の可視化をテーマに、この2つに特化した日本初の測定サービスを開発しています。
池田 政臣 様
(日揮株式会社 人財・組織開発部 人事企画チーム)
当社はプラントエンジニアリングの会社です。厳しい受注競争下で生き残るためには人材が重要な競争要素です。優秀かつ多様性に富む人材の採 用・育成についてこれまでは経験と勘でやってきたことをデータ化しようというのが導入の背景です。
入社10年目以上の社員のOPQデータを収集し、職種・グレードごとに分析しました。思考に関する軸と人に関する軸の2軸で4つのタイプに分け、散布図を作成しました。職種別に分布が異なることがわかり、新規採用者の分布と比較して、次の採用時に見るべきポイントを整理しました。また、人に起因するプロジェクトの問題解決の参考にするために、海外大型プロジェクトメンバーのOPQデータを継続的に収集し、組織の変遷を分析しています。起こり得る問題をあらかじめ想定し、班員計画や意識付けによってリスクにアプローチしたり、チームタイプ別の分布をみて足りないところをどう補うかを定期的に議論したりしています。
導入に当たって苦労した点はいくつかあります。まず、評価や組織開発で使っているモデルとの整合性をどう保つか。また、OPQに対する理解不足に起因する抵抗感、トップをどう巻き込むか、などです。
今後も継続的にOPQを受検してもらいながら、他の人事データとの関連性を分析していきます。また担当者の実務負荷軽減のためにデータ収集から解析に至るプロセスの自動化を検討中です。積極的な情報開示と社外との協業を進めていきたいと考えています。
プログラム
13:30
開会
13:45
講演 「戦略的タレントマネジメントの進め方」
清田 茂(日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役)
14:20
サービス紹介 「SHLグループオンラインテストのご紹介」
田村 理紗(日本エス・エイチ・エル株式会社 HRコンサルティング3課)
14:40
休憩
14:50
パネルディスカッション 「ピープルアナリティクス最前線・人材データの活用事例」
【パネリスト】
池田 政臣様(日揮株式会社 人財・組織開発部 人事企画チーム)
中村 亮一様(株式会社日立製作所 システム&サービスビジネス統括本部 人事総務本部 ピープルアナリティクスラボ)
【モデレータ】
村井 泰裕(日本エス・エイチ・エル株式会社 HRコンサルティングチーム1 副部長)
16:30
閉会
タレントマネジメントシンポジウム「ポテンシャル重視の人材活用」
タレントマネジメントシンポジウム
「ポテンシャル重視の人材活用」
2017年 3月 2日(木)開催
一橋大学 一橋講堂 (東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター2階)
2017年3月2日、弊社主催のタレントマネジメント・シンポジウム「ポテンシャル重視の人材活用」が東京・一橋講堂にて開催されました。ご参加くださった人事ご担当者は119社159名。市場のグローバル化が進み、ビジネス環境の変化のスピードがますます加速する中、新しい戦略を担える人材の発掘と育成に各社大きな関心を寄せていることがうかがえます。※ 社名・部署名・役職等はシンポジウム当時のものです。
開催レポート
パネルディスカッションには2名のパネリストにご登壇いただきました。まず、それぞれの取り組みについてお話しいただいた後、モバイル端末によるアンケートシステムを使って会場の皆様からいただいた質問に回答する形で進められました。以下、各パネリストがお話しくださった内容の趣旨を簡単にご紹介します。
戸村 玲子 様
(MSD株式会社 人事部門 タレントマネジメントグループ ディレクター)
当社はアメリカの製薬会社メルクの日本法人で、2010年万有製薬とシェリングプラウが統合して誕生しました。シェリングプラウは元々外資系でしたが、万有製薬は日本企業であったため、急にアメリカ企業になり、経営幹部に求められる要件が全く変わりました。その中でも特に大きかったのが、英語と多国籍な環境で活躍できる能力でした。そのような変化の中で、次世代リーダー候補を早期に発掘し、育成するプログラムとして 作 ら れ た の が Japan Leadership Program(JLP)です。JLPは、社内外から、「近い将来、経営を担うことのできる トップクラスのリーダーとしてのポテンシャルを持つ人材」を選抜し、10年かけて経験する業務を3年間に凝縮して育成を加速することをねらいとしています。
本日はその将来のリーダー候補を発掘して育成するプログラム、Japan Leadership Program (JLP)の取り組みについてお話します。このプログラムは2011年から始まった日本独自のプログラムです。3年で10年分の経験を積ませることを目標に、1年毎に3つのアサイメントを与えます。JLPの特徴は、①厳格な採用プロセス、②部門をまたいだ戦略的ストレッチアサイメント、③役員の強いコミットメント、です。
①について、外部採用と合わせて、既にMSDに在籍している社員に対しては、春に募集し、夏から秋に選考します。選考プロセスは、論理思考のテストとリーダーシップアセスメントによるポテンシャル評価、役員へのプレゼンテーション、社長/人事部長による最終面接を経て、最終的に決定します。外部及び内部からJLPに合格した社員は、アサイメントマッチングのプロセスに移ります。アサイメントを各部門から提出してもらい、プログラムオフィスがマッチングのサポートを行います。
アサイメントがスタートした後は、JLPとプログラムオフィス、アサイメントマネジャーと事務局がそれぞれ四半期ごとに、アサイメントの状況や本人の成長度合いを確認します。アサイメントの他にイベントとしてトレーニングや幹部とのラウンドテーブルなどを行います。JLPを始めて7年になりますが、これまでの応募者数は500人以上、うち約20名強がJLPとして在籍または卒業しています。去年は、内部から多数の応募があり最終的に合格したのは若干名でした。なお、内部からの募集は本人の立候補です。
JLPの一番の特徴は③役員のコミットメントが非常に強いことです。こういうリーダーシッププログラムの場合、一般的にプログラム生の所属はプログラムオフィス(そしてそのプログラムオフィスが人事部門に所属することが多い)ですが、当社では役員の直下に配属されます。いわば実家のお父さんとお母さんとして、対象者を下宿先(アサイメントマネジャー)に送り出します。JLP3 年間の後、たとえその人がそのまま実家に戻らなくても、自部門ではなく「MSDの人材」としてみんなで育てる文化があります。
今後の課題のひとつは、合格者のプロファイル・レベルの多様化や内部からの応募者のパイプライン育成です。また、JLP卒業後のキャリア開発も課題となっています。
上ノ山 信宏 様
(株式会社みずほフィナンシャルグループ グローバル人事業務部 副部長)
当社は金融持ち株会社であり、その傘下で銀行、証券、信託、ア セットマネジメント等の事業を展開しています。本日はその中でも銀行にフォーカスしてお話しします。古典的な銀行経営は、実質的に単一事業ポートフォリオであったため、全員が同じ業務に従事 し、同じように特徴のないジェネラリストとして育成されてきました。また金融規制の下、安全且つ安定した社会の公器としての役割を専ら期待され、新たなビジネスを創出するといったようなことが求められることはありませんでした。そうした環境下における人事運営は、入社年次によって厳格に管理され、同期入社内の相対評価で選抜を繰り返していくというシステムです。結果、根付いてしまったのが、失敗を恐れチャレンジしないカルチャーでした。大過なく過ごすことが一番、一度× がついたらどんなに努力しても報われない。テレビドラマ「半沢直樹」で描かれていた世界は、大げさではありますが、あながちフィクションであるとも言い切れない部分もあります。しかし、政治や経済、社会、テクノロジーは大きな変化を遂げています。このままで、お客さまに真に必要とされるサービスを提供し続けることができるのか、グローバルな競争環境の中で世界の金融機関と伍して戦っていけるのか、また社員の能力を充分に引き出せていないのではないか等といった強い危機感を持ちました。これが、人事運営を抜本的に変え、カルチャーそのものを変革しなければならないと決断するに至った背景です。
人事運営の抜本的改革として、6つの重点戦略を立てました。その基本的な考え方については、「<みずほ>の人事の基本ポリシー」としてホームページにも公表しました。特に本日のテーマに関連するものは「(1)多様な人材の活躍に向けた「個」を尊重する人事運営」と「(2)強い経営リーダーの育成」です。
(1)はポテンシャル重視の育成型人事運営の実践です。資質に着目し、各自の持ち味を生かし、それをどうやって強みに変えて行くのか。資質を捉えるツールとして日本エス・エイチ・エルのOPQを導入しました。
(2)の次世代経営リーダー育成プログラムは40代前半の層から候補者を選定しています。これは単なる研修に留まらず、戦略的なタフ・アサイメントを各人に課し、アセスメント・プロセスを入れて本人にフィードバックし、専門家からの個別のコーチングを実施するといった一連のものとして設計しています。今年から始めたばかりですが、候補者選定にあたっては、パフォーマンス評価や360度評価、コンピテンシー面接を通じ、能力要件の充足度を判断すると同時に、将来に亘る活躍分野を見定めながら決定しています。
今日お話した幾つかの取組は始まったばかりです。長い歴史の中で染み付いたものも含め、色々なものを一気に変えようとしていますが、悩みながら、苦しみながら前進している途上です。また、取り組んでいるのは「制度の改革」ではなく、「運営の改革」ですので、組織全体に浸透させていくのは簡単な話ではありません。今次改革の大義は何か、具体的に何をしていくのか等、現場とは丁寧にコミュニケーションを繰り返しながら、あるべき姿の実現に向けて取り組んでいます。
プログラム
13:30
開会
13:45
講演「ハイポテンシャル人材の見分け方」
清田 茂(日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役)
14:20
サービス紹介 「SHLグループオンラインテスト商品紹介」
村井 泰裕(日本エス・エイチ・エル株式会社 HRコンサルティング2課課長)
14:35
休憩
14:50
パネルディスカッション 「ポテンシャル重視の人材活用 各社の事例」
【パネリスト】
戸村 玲子 様(MSD株式会社 人事部門 タレントマネジメントグループ ディレクター)
上ノ山 信宏 様(株式会社みずほフィナンシャルグループ グローバル人事業務部副部長)
【モデレータ】
清田 茂(日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役)
16:30
閉会