タレントマネジメントが解決する人事課題
なぜ今、「タレントマネジメント」が多くの注目を集めているのでしょうか。
ここでは、タレントマネジメントによってどのような人事課題を解決しうるかを解説していきます。
経営者にとって免れることができない課題は、「組織を強化し業績を上げる」ではないでしょうか。「これまでの成功体験がうまく機能しなくなってきた」「事業環境変化に合わせた新しいビジネスと組織の再構築が必要だ」等、早急に対応する必要性を感じている経営者の方々も少なからずいらっしゃるのではないかと思います。
タレントマネジメントとは、現代のように目まぐるしく状況が変わる時代、企業継続のために価値を生み出し続ける、それを実現する「タレント(才能ある人)」に注目する──あくまでも「組織戦略」を前提とした考え方だと、私たちは考えています。
人事を担当するお客様からは、「うちには人材がいない」というお声がよく寄せられます。しかし、一度ぜひお考えいただきたいのです。社員の“ポテンシャルを含めた能力”をすべて、把握していますでしょうか。
大きな環境の変化を伴うビジネスの転換を余儀なくされている今だからこそ、組織の中にいる「タレント」を見直してみませんか。どこにどんな「タレント」がいるかを把握しておくだけでも、情勢の変化に応じた迅速な対策ができるでしょう。
タレントマネジメントが
解決する9つの課題
01
ハイポテンシャル人材の発掘・育成
「ハイポテンシャル人材」とは会社が将来を託すリーダー候補者のことです。次世代リーダーの選抜育成プログラム、選抜型研修や後継者計画を効果的に実行するためには、適切な候補者を選抜しなければいけません。また、選抜後は候補者の特性と会社のニーズに応じて戦略的な異動や業務の割り当てを行い、仕事の経験を通じて真のリーダーに育てていきます。
02
人材棚卸し(人材可視化)
人材を定量的に評価、把握することを人材棚卸しといいます。人材の評価軸の主だったものは業績、コンピテンシー、ポテンシャルの3つ。人事評価(業績、能力、360度等)に加え、アセスメント(パーソナリティ検査、知的能力検査、意欲検査等)を活用したポテンシャル評価、職務経験や資格等の情報を集め、様々な人事施策に活用します。タレントマネジメントを行う上で欠かすことのできない取り組みです。
03
人材データ分析・人材要件定義
人材要件を作るには大きく分けてインタビューとデータ分析の二つの方法があります。インタビューでは経営・事業のトップ、人事、マネジャー、高業績者に話を聞き、発言内容から定性的に人材を定義します。データ分析では業績・能力評価、アセスメント結果等のデータを分析することで定量的に人材を定義します。
04
人材選抜・配置・任用
適材適所がタレントマネジメントの本質です。採用、配置、任用登用、昇進昇格、社内選抜を正しく行うことが適材適所の実践であり、タレントマネジメントの中心的な活動となります。
05
能力開発・キャリア開発
能力開発は個人の能力を強化し、生産性を向上させること。キャリア開発は社員の自立的なキャリア形成を支援し、やりがいのある仕事を与えることで生産性を向上させることを指します。新入社員のオンボーディング、階層別研修、部門別研修、選抜型研修、OJT、コンピテンシー開発、キャリア開発プログラム等、あらゆる能力・キャリア開発プログラムは人を育てるためのタレントマネジメントです。
06
組織開発
組織開発とは、組織の問題を解決し、よりよい組織に変化するための制度や仕組み、組織的な取り組みのことです。社員エンゲージメントの向上や上司部下コミュニケーション改善、企業理念の浸透、定着率の改善などを実現します。
07
パフォーマンスマネジメント
パフォーマンスマネジメントとは部下(社員)が自らの力で目標達成できるよう、具体的な業務について対話し、気づきを与え、支援し、時には関与する一連の上司(会社)による支援活動のことです。人よりも仕事に、能力よりもタスクに焦点をあてます。業務と部下(社員)についてよく知っていることがこの活動を円滑に行う条件です。
08
グローバルタレントマネジメント
世界中の人材を対象に国を越えて行うタレントマネジメントをグローバルタレントマネジメントといいます。特定地域におけるタレントマネジメントに比べて、多様な人と仕事と環境を扱うため複雑な判断が求められる一方、多様な人材の組み合わせによる新しく強い組織作りが可能です。
09
ダイバーシティマネジメント
ダイバーシティとは多様性のことです。多様な人材を活用することでより組織を強化する取り組みをダイバーシティマネジメントといいます。多様な人材のそれぞれの持ち味を組み合わせることで新しい価値を生み出し、組織の成長につなげていくことを目指しています。