「タレントマネジメント」を成功に導くポイント
「タレントマネジメント」をどのように導入したらよいのか、
成果を生み出すために意識したいポイントを整理してみました。
戦略と目標の明確化
サービス導入前までに
組織の戦略と目標を明確に
「タレントマネジメント」とは、「社内のタレント(才能ある人)を活用する手段」ですから、導入にあたっては、まず「組織全体の戦略と、達成したい目標」を明らかにすることが重要です。「膨大な手間とコストをかけたけれど、組織目標に活かせなかった…」という結果になるのだけは避けたいもの。どのような目標を達成するために、社員の能力をどう活用し、何に役立てるのかを明確にします。
必要な人材や能力の明確化
客観的・科学的分析で
「人材要件」を明らかにする
組織の戦略と目標を定義したら、「目指す組織づくりのための人材・能力要件」を明確にします。そして、職務分析に基づいた「ジョブディスクリプション(職務記述書)」を作成し、具体的な職務内容や職責、職務遂行に求められる資格、知識、スキル、能力などを掴んでおきます。それぞれの職務に「どんな能力が必要か」が見えなかったり、「新規事業や新設の部門に適した人材がわからない」といった悩みを抱えたりする方も多いかもしれません。高業績者の行動特性や新しいポストの役割・職務内容を客観的・科学的に分析することで、人材要件を明らかにすることが大切です。
タレントマネジメントの
プロセスの明確化
社内の理解と協力を
得ることが肝心
「タレントマネジメント」を成功させるには、社内の協力が不可欠です。トップマネジメントの理解はもちろん、各部門のマネジャーや社員の方々から「納得して協力してもらう」ことが重要です。とりわけ新しい取り組みにおいて、すべての人がすぐに諸手を挙げて賛成するとは限りません。タレントマネジメントの円滑な導入や、導入後の組織活性化のためにも、タレントマネジメントの目的、内容、方法、対象者、得られるメリット等を明確にし、社内の理解と協力を得られるようにしましょう。
タレントマネジメントの実行
理解とコミュニケーションが
目標達成の近道に
「タレントマネジメント」の実行により、本人を含む関連する全員が対象者の特徴(能力の強みや弱み、育成ポイントなど)を詳しく知る機会を得ます。能力開発やキャリア開発、コミュニケーション改善、ストレスマネジメントなどにおいてはタレントマネジメントを行う過程で本人理解や相互理解が進みますので、問題はありませんが、選抜や配置、チーム編成などにおいては、アセスメント結果に基づく「個人の強みや弱み」「指導の仕方」「コミュニケーションの取り方」などを本人や上司、部門のマネジャーや部門人事へフィードバックしましょう。関連するすべての人が社員一人ひとりを理解することが目標達成への近道にもなるのです。
検証と改善フローの構築
タレントマネジメントの要諦は
検証と最適化
「タレントマネジメント」は導入して完了ではなく、「導入後が真の始まり」です。事前設定した組織全体の戦略と目標の実現に向け、客観的な検証を行っていきましょう。「やってみたら、当初のイメージと違っていた」ということもあるでしょう、その度に人材データを更新し、タレントマネジメントの施策や手法を見直し、よりよい意思決定ができるよう最適化していくことが重要です。