タレントマネジメントに関するFAQ
タレントマネジメントに関するよくあるご質問にお答えします。
具体的な施策
タレントマネジメントシステムを活用して後継者育成プログラムを作る方法を教えてください。
4つのステップがあります。
1.後継者育成が必要なポジションを特定してください。
2.そのポジションで成果を出すために必要な人材要件を定義します。
3.候補者となりうる人について、定義した人材要件に関連する人事情報を集め、一覧化します。
4.不足している部分について、どのように育成するのか、外部から採用して補填するのかを検討します。
能力不足のマネジャーであっても育成するしか手がありません。40、50代のマネジャーに行動変容を促す方法を教えてください。
制度上降格させることができないとしても、ラインマネジャーの役割から外すことはできるという前提で二つの方法をご提案します。
1.下の世代(30代)のマネジメント力強化です。経営知識と修羅場経験の提供、経営層によるメンタリングを行い、若いマネジャーをどんどん輩出します。後輩に自分の立場が脅かされるという危機感を持たせます。
2.成果主義の徹底です。業績と部下育成の成果指標を作り、評価します。一定期間、成果責任を果たせなかった場合は、ラインマネジャーの任を解きます。
ハイポテンシャル人材プログラムに選抜された人に選ばれたことを伝えるべきですか、通常の人事異動と思わせるべきですか?
SHLが行った国際的調査においても、ハイポテンシャル人材に選抜されたことを伝える会社と伝えない会社は半々という結果になりました。ハイポテンシャル人材は高いアスピレーションとエンゲージメントを持っています。本人を意欲形成するのであれば伝える方がよいですが、選ばれなかった人の中にはやる気を失う人もいます。両者を天秤にかけメリットのある方を選ぶべきです。
全社員を底上げするためにボトムアップ型の育成をやるべきですか?それとも特定の才能ある人だけを選んで選抜型の育成をやるべきですか?
育成したい要素によります。全社で共有している価値観や能力については、ボトムアップ型にするべきです。その他については、選抜型をおすすめします。なぜなら、全員に同じ育成施策を行っても、同じように育ってくれません。人には向き不向きがあり、本人の適性にあった育成が最も効果的かつ効率的です。また、意欲のない人に研修を実施しても全く吸収してくれません。人は「育てる」ではなく、「育つ」と思って機会を提供する方が良いのではないかと考えます。
10年かけて新規事業創造のエコシステムを構築したいと考えています。新卒採用をうまく活用する方法はありませんか?
日本エス・エイチ・エルは新しい事業を起こし軌道に乗せた人材の特徴を分析し、その傾向を明らかにしました。事業創造の経験がない人の中にも、新規事業創造人材のポテンシャルをもつ方は存在します。もし、そのような人材を新卒採用で採ろうというのであれば、新人にも事業創造の機会を与えることを明示して起業家志望の学生を集めるべきです。加えて育成にも力を入れるべき。社内ビジネスコンテストの開催、受賞者を事業責任者として出資とその他リソースの提供、撤退基準の明確化、失敗しても再挑戦できる組織風土の醸成等が必要です。新しい事業はコラボレーションから生まれます。協業やM&Aを含め様々な方法を模索してください。
ハイポテンシャル人材のエンゲージメントを高める方法を教えてください。
SHLの調査では、ハイポテンシャル人材のエンゲージメントを高めるために最も重要な施策は「サポート体制のあるハイリスク・ハイリターンな職務」でした。難しいが成し遂げた時の成果が大きく、本人への見返りも大きい仕事をハイポテンシャル人材は求めています。「サポート体制がある」という点も重要です。メンターやコーチの存在など、修羅場での成功を支援する姿勢を会社が示せば、ハイポテンシャル人材のエンゲージメントは高まります。