【コラム】人事コンサルタントの視点
さまざまなタレントマネジメント課題に関して、
日本エス・エイチ・エルのHRコンサルタントがコラムを執筆しています。
不確実な世界でリーダーが直面する6つの課題
以前から「VUCAの時代」と言われていましたが、ここ数年の世界の出来事を振り返ると、まさにその言葉通りのような時代であると感じます。パンデミック、地政学的リスクの高まり、AIなどのテクノロジーの目覚ましい発展と普及は、世界が常に不確実性にあふれていることを私たちに実感させました。
このような世界で、組織はどのようなリーダーシップが必要となるのでしょうか?
今回は、SHLグループのコラム「Effective leadership in a world of geopolitical upheaval—a contextual challenge for organizations(地政学的な動乱の世界における効果的なリーダーシップ-組織における文脈上の課題)」から、特に地政学的に不確実な世界のリーダーにとって重要なコンテクストを6つご紹介し、直面する課題について考察します。
リーダーのコンテクスト(文脈)が重要
組織は、さまざまな状況で機敏に対応し、変化に適応して成長できる人材を適切に配置することが重要です。
SHLは、9,000人のグローバルリーダーを対象に3年間の調査を行い、リーダーの成功にはコンテクスト(文脈)が重要であるということを明らかにしました。コンテクストとは、リーダーが活動するコンテクスチュアル(文脈的)な環境のことで、リーダーが働かなければならない業界や場所、ビジネスの優先順位を含む組織、チーム、職務特性や心理的要求を含む役割といった外部環境が含まれます。
リーダーを選抜する際、より広く仕事の背景を考慮に入れると、「画一的な」アプローチよりも平均で 4 倍正確な予測が得られます。パフォーマンスの高いリーダーをより正確に予測することで、リーダーのパフォーマンスが平均 22% 向上し、それが売上・純利益ともに4%の増加につながります。
この調査では、ダイバーシティに関連する別の注目すべき成果もありました。世界中の組織がリーダーのパフォーマンスの成否に最も重要であると特定した27の課題のうち 21 項目において、女性の方が男性よりも強みがあるという結果が得られました。コンテクストは、特定の課題に誰が最適であるかを評価する非常に柔軟かつ強固な方法です。それだけでなく、コンテクストを活用することで、潜在的な可能性のある人材のターゲットを広げ、人材プールに存在する可能性のある隠れた逸材を組織が見逃さないようにすることができるのです。
不確実な世界で特に重要となるコンテクストとは
SHLは、リーダーが直面する約300の課題から、リーダーの成功に影響を与える最も重要な27のコンテクストを抽出しました。コンテクストは「チームのパフォーマンスを推進する」、「リスクと評判をマネジメントする」、「変革をリードする」、「結果を出す」の4つのグループに分類されます。
これらの中には、時間の経過や新たな課題の出現に伴って重要性が高まったり薄れたり、ある時点での組織の優先順位や目標に固有のコンテクストがあります。しかし、今日の地政学的に不確実な世界の状況に鑑みると、次の6つのコンテクストが前面に出てくる可能性があります。
・不確実性が高くあいまいな状況で業務を遂行する
当然ですが、不透明で、想定外の変化がありうる環境で活動する能力は、極めて重要です。
・人や業務の安全とセキュリティを確保する
事業やオペレーションの一部が不安定な場所にある場合、地域紛争、政治、環境問題、インフラの課題などを乗り切る能力が最も重要になります。サイバー攻撃の脅威に対処する仕組みの構築も、組織にとって注力すべき重要な点です。
・急速に変化する製品、サービス、プロセスに対応する
これは、サプライチェーンマネジメントに関わる問題に一部関連しています。確立されたサプライチェーンラインが中断された場合、組織は代替プロセスを迅速に再検討する必要があります。
・高いリスクをとる状況下で業務を行う
混乱や予期せぬ事態は、組織が大きな決断を迫られることを意味します。例えば、事業を別の地域に迅速にシフトしたり、突然紛争状態になっている国に新商品を一か八か投入したりすることが考えられます。長期的には大きな市場機会となりえます。
・リスクを嫌う状況下で業務を行う
混乱によって、組織は新たなグローバルな機会を模索することになるかもしれません。このような新しい環境では、規制が強化されたり、他の「官僚的」なステークホルダーとの関係を調整したりする必要が生じる可能性があります。これまでのビジネスの進め方とはかなり異なる可能性があります。
・地理的拡大を通じてビジネスを成長させる
特定の国・地域における地政学的な課題によって、組織は、製造拠点や製品・サービスの市場として、新たな地域を検討する必要に迫られるかもしれません。
コンテクストとリーダーの特性をそれぞれ見極める
今回は地政学的状況に伴う不確実性にフォーカスして、より密接に関わるコンテクストをご紹介しました。
ただ、組織や事業が直面するコンテクストはこの一面だけではありません。それぞれの環境における特定のコンテクストを理解し、最適な組み合わせの人材を測定することで、混沌とした世界で組織を発展させる将来のリーダーを発掘することが可能です。
なかなか予測が難しい未来のリーダーを選抜・育成する際は、成功確率を高めるためにコンテクストという考え方をぜひ取り入れていただければと思います。
- #1on1
- #360度評価
- #AI
- #C-GAB plus
- #CAB
- #DX人材
- #GAB
- #Insight_platform
- #IT人材
- #MQ
- #OPQ
- #RAB
- #SHL
- #TAG
- #UCF
- #V@W
- #Verify
- #Z世代
- #アイスブレイク
- #アセスメント
- #アセスメントセンター
- #イノベーション
- #インセンティブ
- #インターンシップ
- #エンゲージメント
- #エンタープライズリーダー
- #エンタープライズリーダーシップ
- #オンボーディング
- #キャリア採用
- #キャリア自律
- #グループ討議
- #コミュニケーション
- #コミュニケーションスタイル
- #コンテクスト
- #コンピテンシー
- #サクセッションプラン
- #シミュレーション演習
- #ジェンダー
- #ジェンダーバイアス
- #ジョブ型
- #スキル
- #スキルベース
- #ストレス
- #ストレスコーピング
- #ストレス対処法
- #ストレス耐性
- #ストレス耐性リポート
- #タレントインサイト
- #タレントインサイト成熟度
- #タレントマネジメント
- #ダイバーシティ
- #チームタイプ
- #チームビルディング
- #テスト
- #テレワーク
- #データ分析
- #ネットワーキング
- #ハイブリッドワーク
- #ハイポテンシャル人材
- #パーソナリティ
- #パーソナリティ検査
- #ヒートマップ
- #ピープルアナリティクス
- #ピープルマネジメント
- #ファクトファインディング演習
- #フィードバック
- #ポテンシャル
- #マッチング
- #マネジメント
- #マネジャー
- #モチベーション
- #モチベーションリソース
- #リクルーター
- #リーダー
- #リーダーシップ
- #リーダー人材
- #リーダー育成
- #ワークサンプルテスト
- #ワークライフバランス
- #万華鏡30
- #人事テスト
- #人材データ分析
- #人材ポートフォリオ
- #人材可視化
- #人材採用
- #人材育成
- #人材要件定義
- #人材評価
- #人材選抜
- #人材開発
- #人気記事
- #偏差値
- #働き方改革
- #内定者
- #内定者フォロー
- #分析
- #合意
- #商品
- #営業職
- #報酬
- #女性活用
- #女性活躍推進
- #妥当性
- #客観面接
- #対話
- #応募者体験
- #意欲形成
- #振り返り
- #採用
- #採用要件定義
- #新入社員
- #新卒採用
- #新規事業創造
- #構造化面接
- #標準得点
- #標準点
- #模擬面談演習
- #次世代リーダー
- #無尽蔵
- #玉手箱Ⅲ
- #研修
- #研究
- #社内公募
- #管理職
- #組織再編
- #経営人材
- #職務適性
- #育成
- #能力開発
- #自己理解
- #行動変容
- #解雇
- #評価
- #調査
- #質問力
- #逆面接
- #適性
- #適性検査
- #適材適所
- #選考プロセス
- #配属
- #面接
- #面談