ブラザー販売株式会社ご登壇SHLタレントマネジメントウェビナー「変化の時代におけるキャリア開発・人材育成」開催報告
ブラザー販売株式会社ご登壇
SHLタレントマネジメントウェビナー
「変化の時代におけるキャリア開発・人材育成」開催報告
Zoomビデオウェビナー
2023年2月15日(水)14:00~15:30
2023年2月15日、弊社主催のタレントマネジメントウェビナー「変化の時代におけるキャリア開発・人材育成」(Zoomビデオウェビナー)が開催され、当日参加・アーカイブ視聴含め、約130名の人事ご担当者にご参加いただきました。当日は、ブラザー販売株式会社の山内様にご登壇いただき、キャリア開発と人材育成の具体的な取り組み事例をご共有いただきました。※ 社名・部署名・役職等はウェビナー開催当時のものです。
開催レポート
戦略人事を実践するブラザー販売の山内様にご登壇いただき、タレントマネジメント施策のうちキャリア開発と人材育成について、その前提となる職務要件の明確化から、従業員の自己理解促進、キャリア面談の実施まで具体的な取り組み内容や成果、今後の課題についてお話いただきました。その後Q&Aシステムを使って視聴者の皆様から寄せられたご質問にご回答いただきました。以下、ご講演の内容の趣旨をご紹介します。
山内 優 氏
(ブラザー販売株式会社 人事総務部 人財戦略グループ シニア・マネージャー)
変化の激しい時代の中で、ブラザー販売は3か年の中期経営計画(以下、中計)に取り組んでいます。その一部である人事戦略の実践例についてお話しします。中計をうけて、人事として今後どういう会社を目指していくべきかを議論し、「ブラザー販売で働く人が、能力を活かしてイキイキと活躍している状態、つまりダイバーシティとWellbeingの実現が出来ている状態を目指す」というビジョンを作りました。これを実現する為に必要な取り組みを7つ挙げ、それぞれに3か年でのゴールを設定しました。ゴールに向けて、様々な施策を実施していますが、多くが現在も進行中です。本日は、既に実行して結果が得られている「タレマネツールの導入」、「キャリア面談」、「社内公募」の3つの活動についてご紹介します。
まず「タレマネツールの導入」については、4つの課題がありました。1つ目は点在していた人事情報を統合し関係者が情報にアクセスしやすくすること。2つ目は資格情報など特定の条件で人財を探すことができるように人財を見える化することです。この2点は実現できましたが、今後は部門長などに情報の活用の仕方を伝えることが新たな課題です。3点目は適切適所のローテーションです。ツールのシミュレーション機能を利用し、客観的な情報を基に将来を見据えて育成するための配置を行おうと考えました。しかし実行するには、例えばサクセッションプランなど経営陣と協議すべきことが多くあり、目下取り組んでいるところです。4点目は、従業員が自らキャリア像を描けるように、どこでどのような人が活躍しているかを見える化しキャリアパスを策定すること。こちらもツールだけで実現するのは難しく、現在人事制度の見直しをしています。
ツールの導入に合わせて、日本エス・エイチ・エルのパーソナリティ診断「万華鏡」も実施しました。採用で使用しているGABと同じパーソナリティの30因子が利用でき、育成や配置により適した結果が出力できます。結果はタレマネツールに取り込み、人事だけでなく本人と上司も確認できるほか、結果データで活躍人財の分析を行い、採用基準を見直しました。さらにキャリア面談と社内公募でも、万華鏡のPMCというコンピテンシー群を使用しています。
次に「キャリア面談」です。従業員のキャリア自律を促すために直属の上司と部下が年1回実施します。タレマネツール上に表示される面談シートを使用します。面談シートには、モチベーショングラフと万華鏡結果が表示され対話に使用します。最終的に面談シートの「CAN・WILL・MUST&SUPPORT」を入力します。「CAN」では、PMCの36項目を使って強みと弱みを記入します。
万華鏡の使用により、人事の視点では強みや弱みを語る時の共通言語ができました。部下の視点では自己理解の促進、特に今まで気づいていなかった強みの発見につながったことが大きなメリットでした。上司の視点でも、通常業務ではわからなかった部下の新しい強みの発見につながりました。
最後に「社内公募」です。公募は年1回、全部門から人員要望書が提出され、人事会議で公募求人を決定します。今回新たに「募集ポジションの具体化」に取り組みました。行動面のコンピテンシー、知識や資格などのテクニカルなコンピテンシー、業務経験の3つを募集要項に加えました。行動面のコンピテンシーは、PMC36項目からカードソート手法を用いて選びました。募集ポジションの部門長とマネジャーに、そのポジションの職責・目的・課題などを確認した後、36枚のコンピテンシー名と定義が書かれたカードを「必須」「望ましい」「不要」の3つに分類してもらいます。人事が理由などをヒアリングし、最終的に「必須」から特に重要な2項目に絞りました。その後、選んだコンピテンシーが表れるプラスの行動と、マイナスの行動を言語化し、面接の評価基準にしました。13ポジションに対して人事7名で実施し、1.5カ月ほど要しました。
カードソートの実施を通して、いくつかの発見がありました。1つは部門長が協力的であったことで、これは企業規模が350人ほどで日頃からコミュニケーションが取れていたためだと思います。2つ目は、部門長とマネジャーの考える人物像が異なるケースが多かったこと。認識合わせが出来たのは大きな成果でした。3つ目は、コンピテンシーの選定を部門任せにせず、知識がある人事がヒアリングをして精度を高めることができたこと。4つ目は従来の募集要項が仕事内容にフォーカスしていたこと。今回の活動で、人財にフォーカスした募集要項に刷新できました。
今後も、人事制度の改定やサクセッションプランの対象者をどのように育成するかなど、冒頭にご紹介したビジョンの実現に向け、取り組んでいきたいと思います。
プログラム
14: 00
開会
14: 05
SHL講演 「職務要件定義のための職務分析とコンピテンシーモデリング」
清田 茂(日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員)
14: 30
ゲスト講演 「変化の時代におけるキャリア開発・人材育成」
山内 優 氏(ブラザー販売株式会社 人事総務部 人財戦略グループ シニア・マネージャー)
15: 00
質疑応答
15: 30
閉会