2023年採用シンポジウム「未来を創る人材獲得戦略」開催報告
2023年採用シンポジウム
「未来を創る人材獲得戦略」開催報告
Zoomビデオウェビナー
2023年7月5日(水)14:00-15:30
2023年7月5日、弊社主催の採用シンポジウム「未来を創る人材獲得戦略」(Zoomビデオウェビナー)が開催され、当日参加・アーカイブ視聴含め、約500名の人事ご担当者にご参加いただきました。当日は、双日株式会社、株式会社三井住友銀行、株式会社Works Human Intelligenceの3社の人事ご担当者にご登壇いただき、自社の人材獲得戦略の取り組みをご共有いただきました。※ 社名・部署名・役職等はシンポジウム開催当時のものです。
開催レポート
3名のパネリストの皆様には、まずそれぞれのお取り組みについてご講演いただき、その後休憩をはさみ、「インターンシップ」「コース別採用」「面接」という3つのテーマについてパネルディスカッションを行っていただきました。最後に視聴者から寄せられたご質問にご回答いただきました。以下、各パネリストのご講演の内容の趣旨を簡単にご紹介します。
和田 真奈 氏
(双日株式会社 人事部 採用課 課長)
当社の人材戦略は3つの柱があり採用活動においてはそれらを中心に双日の社員を伝えていくことが双日らしさの訴求につながると考えています。1つ目は『多様性を「活かす」』で、女性総合職の海外・国内出向経験、外国人人材によるCxO比率、育児休暇取得等をKPIとしています。2つ目は『挑戦を「促す」』で、ジョブ型雇用など双日外で挑戦しても双日とかかわり続けられるような制度等を設けながら、緩やかな双日アルムナイを設定しています。3つ目は『成長を「実感できる」』で、海外法人や別領域の職場を短期/長期的に経験するトレーニー制度やHassojitzプロジェクトというビジネスコンテストなどを実施しています。人材獲得においては、選び選ばれる関係の構築をコンセプトに、応募者のキャリア形成を支援し、双日をよく理解していただいたうえで選んでもらえるように積極的に社員と接する機会を提供しています。新卒採用では、10月から海外大選考、6月から本選考、7・8月に夏季選考を行います。本選考前にはセミナーやインターンシップなど、双日への理解を深めていただくイベントを数多く実施しています。また、理系学生と女性、デジタル人材向けのインターンシップも開催しました。広報においては、感度の高い新入社員と協力して取り組み、YouTubeやInstagramなどのSNSも活用しています。今後は、スキル重視や早期化といった学生の意識の変化を踏まえた選考プロセスや多様性人材を獲得する上での工夫、採用時データを活用して新卒社員のオンボーディング支援に取り組んでいきたいと考えています。
菅家 哲朗 氏
(株式会社三井住友銀行 人事部 採用グループ長)
非金融領域のビジネス拡大や業務の高度化・専門化を受けて、当行の人財獲得戦略として新卒採用のみならず、キャリア採用強化やコース採用を拡充しています。多様性の観点からもキャリア採用者数は倍増、コース採用は3つの専門コースを新設しました。今後はビジネス環境の変化等を踏まえ新卒とキャリアのベストミックスを模索していきたいと考えています。応募者の確保においては、職種・専門コースごとにインターンシップを開催し、専門コースは事業部門の従業員に協力して貰い、カルチャーや業務理解を深めていただく工夫をしています。また人財ポリシーの新たな策定に伴い、採用スローガンも刷新しました。採用活動における特色は、現場の従業員約2000人が協力している点です。働くイメージを持ってもらうために様々な従業員との面談の機会を提供しています。また、日本エス・エイチ・エルの適性検査結果を活用し、予測される応募者の特徴に合わせたコミュニケーションを行っています。最後に、選考ではESの項目を大きく見直しました。コロナ禍で学生生活に制限のあった世代の為、大学時代に限定せずに力を入れて取り組んだことを聞く設問を設けたり、SMBCに入りたい理由(志望動機)を問うのではなく、SMBCというフィールドを活用して何がしたいかを考えてもらうようにしました。また構造化面接を取り入れ、各面接フェーズで評価するコンピテンシーを明確化し、面接が高度化したという実感を持っています。各フェーズで確認したいコンピテンシーを測定出来ていたのかデータを活用し検証分析も行っており、今後の改善に繋げたいと考えています。
我如古 マリアン 氏
(株式会社Works Human Intelligence 採用Dept. 新卒採用Grp. Group Manager)
当社からは、「新卒エンジニア人材のポテンシャル採用」というテーマで、難度が高いと言われるIT人材の獲得戦略・工夫点について事例をお話をさせていただきます。
HR Tech関連サービスを展開する当社では、テックカンパニーとしてエンジニア人材の需要の高まりから、いかにして開発適性のある人材を採用するかが課題でした。
当社は2023年現在、オープン型の「キャリアコース」そして開発部門への初期配属を確約する「エンジニアコース」の2コースによる採用活動を行っております。
エンジニア採用に向けて行った工夫の1つ目は、「エンジニアスキルのある人材」ではなく「自社のエンジニア職に適性のある人材」を発掘する選考設計です。プログラミングスキルの測定テストに代わり、現場の開発実務で行われる機能開発における「思考プロセス」の適性を見極めるワークショップを導入しました。しかし開発部門への初期配属を確約する以上、プログラミングに抵抗があるとミスマッチになってしまいます。そこで2つ目の施策として、数理計算や規則性理解といったコンピューター職適性を測る日本エス・エイチ・エルのWebCABを導入し、これにより業務のハード面への適性を確認しました。
最後に、見極め手法を整えても母集団形成にも課題がありました。エンジニア職はやはり文系学生にとっては縁遠いもの、不人気な傾向があります。一方で当社には文系出身で活躍するエンジニア社員が多くおります。その解決策として、”エンジニア職”自体の魅力を発信し「エンジニアになりたい」学生を増やす活動を行いました。具体的な施策としては、文理やスキル問わず合う価値観を記載したコース紹介ページ、新卒エンジニア研修の体験インタビュー記事、イベントで開発部門役員から文系出身者に対するメッセージの発信などを行いました。イベント後に参加者がエンジニアコースへ移行するなど反応は良好で、現在は「キャリアコース」と「エンジニアコース」のエントリーが当初理想としていた7:3程度になっています。
これらの取り組みは、入社後のオンボーディング体系が現場で強化されていたことが非常に大きな後押しとなりました。採用という入り口だけではなく、研修・現場との一気通貫のシステム構築が、エンジニア人材発掘と適材配置の肝であると感じております。
プログラム
14: 00
開会
14 : 05
ゲスト講演「未来を創る人材獲得戦略」
和田 真奈 氏(双日株式会社)
菅家 哲朗 氏(株式会社三井住友銀行)
我如古 マリアン 氏(株式会社Works Human Intelligence)
14: 50
休憩
14: 55
パネルディスカッション
【モデレータ】
関 麻奈美(日本エス・エイチ・エル株式会社 HRコンサルタント)
15:30
閉会