導入事例

タレントマネジメントソリューション導入事例をご紹介。
背景、人事課題、導入したソリューション、成果をご紹介します。

マツダのグローバルリーダー育成におけるタレントアセスメントの活用

グローバルリーダー育成に注力するマツダ。
次世代を担うグローバルリーダーを育成するプログラムにおけるタレントアセスメントの活用法についてご紹介します。※本取材は2020年11月に行いました。事例記事は取材時のものです。

マツダ株式会社

担当部署名人事本部 人材開発部 組織開発グループ
事業内容乗用車・トラックの製造、販売など
業種製造業
従業員数単体 合計: 23,203名 (男性: 20,947名 女性: 2,256名)
※マツダ(株)外部から受け入れた出向者を除き、マツダ(株)外部への出向者を含む
連結 合計:50,479名
※マツダグループ外部への出向者を除き、グループ外部から受け入れた出向者を含む
※2020年3月31日時点

タレントマネジメント課題

海外のグループ会社の主要ポジションに空きが出たが、後継者が現地で育っていない。

他の拠点で販社の社長候補を探したが、どこにどのような優秀人材が存在するか情報がなく、グローバルリーダー候補が社内で共有されていない。

優秀人材の見える化と計画的育成が急務であり、グローバルベースでリーダー候補者を早期に発掘・育成すべきという課題が顕在化した。

導入したタレントマネジメントソリューション

グローバルリーダー候補者へのアセスメント(360度、能力テスト、OPQ、対面でロールプレイとインタビュー)

自己理解及び能力開発を目的としたアセッサーからのアセスメント結果フィードバック

マツダのグローバル経営リーダー要件に合わせたアセスメント結果の独自開発

得られた成果

リーダー候補の強みや能力開発ポイントが定量化できた。

アセスメント結果を本人と上司にフィードバックすることで、部門や人事も対象者を深く理解できた。

アセスメント結果を研修参加者同士で共有することで、相互理解が促せた。

【目的/課題】

2014年当時、マツダグループのとある海外販売会社の社長ポジションが急に空き、後継者をすぐに探さなくてはいけないという出来事がありました。すぐに現地の候補者たちと面談を行いましたが、すぐに社長になれるほど育っていないことがわかり、他拠点で後継者を探すことになりました。しかし、どこに、どのような優秀人材がいるのかみえず、大変苦労しました。この出来事から、グローバルリーダーが計画的に育っていない、そしてグローバルリーダー候補がグローバルにシェアされていない、また各拠点ごとの育成、活用にとどまっているという問題が顕在化しました。そこで出てきた課題意識は、グローバルベースでリーダー候補者を早期に発掘・育成すべき、というものです。すべきことは、優秀人材の見える化と、計画的育成でした。この二つを達成するためにできたのが、2014年に立ち上がったGLDC<Global Leadership Development Committee>、日本語ではグローバルリーダー育成委員会です。続く2015年にはGLDP<Global Leadership Development Program>、グローバルリーダー研修がスタートしました。SHLに協力していただいた取り組みは、このグローバルリーダー研修でのアセスメントです。

【導入/経緯】

グローバルリーダー育成委員会で、育成目的の異動計画および実行を行っていますが、実際の異動は難しい場合もあります。リーダー候補に異動で経験させたい3軸(クロスリージョン、クロスファンクション、ハイヤーポジション)を疑似的に体験させるため、グローバルリーダー研修を立ち上げました。参加者は20名程度、グローバルリーダー候補で各領域の統括役員が選抜しています。
研修は、約1年間、業務を離れることなく参加してもらうプログラムで、①SHLのアセスメント、②個別育成計画、③集合研修、④約半年間のプロジェクトワーク、⑤スキップレベルミーティング、⑥リベラルアーツ社外セミナーの施策から構成されています。
SHLのアセスメントはオンラインで360度、能力テスト、OPQ、対面でロールプレイとインタビューを実施しています。参加者は現地の言葉で受検してもらい、結果はグローバルで統一した指標(マツダのグローバル経営リーダー要件)にカスタマイズして出しています。アセスメントによって、自己認識を向上させるとともに、マツダのリーダーに求められるリーダーシップにおける育成課題を明確化することに活用しています。結果は受検者本人とその上司にアセッサーからフィードバックしています。アセスメント結果をより深く活用するため、個別育成計画を導入しました。見えてきた育成課題もしくは強みに対し、アクションプランを立ててOJTを通して1年間実行していきます。直属の上司、本部長からフィードバックをもらい、アクションプランを立てています。
集合研修は、海外メンバーも集めて、本社で約一週間実施します。座学、マツダの理解を深めるセッション、役員との対話で構成されています。マツダウェイにある「共育」=互いに教えあい、成長しあう、を具現化すべく、仲間同士でともに育てあえるようにと、メンバー同士のアセスメント結果共有も行っております。これにより、参加メンバー同士の相互理解も深まりました。

【成果】

アセスメントは多様な言語で受検でき、結果はグローバルで統一した物差しで定量化できた点がとても助かりました。アセスメント結果を活用しながら、直属の上司や本部長と対話をしてもらうことで、経営者としての高い視点を提供すると同時に、本部長や人事側もリーダー候補者を深く知ることができました。今は研修後にアセスメントは実施していませんが、研修前後にアセスメントを受けて行動変容を見たいという意見があるため、それに向けて動いているところです。
今後は、各部門に委ねている選抜基準の統一化をはかり、より客観的な評価を行いたいです。また、選抜時にネックとなる英語力強化や、選抜された受講者のモチベーション向上にも力を入れつつ、毎年改善しながらプログラムを作って行きたいと思います。


[編集]