導入事例

タレントマネジメントソリューション導入事例をご紹介。
背景、人事課題、導入したソリューション、成果をご紹介します。

富士ゼロックスの「人材の見える化」による営業力強化

富士ゼロックスの営業プロセス革新。
営業人材の特徴把握と育成施策立案のための「人材の見える化」プロジェクトを紹介します。※本取材は2020年6月に行いました。内容は取材時のものです。

富士ゼロックス株式会社

担当部署名販売戦略推進部 営業・SE力強化センター
事業内容精密機器、コンピュータ・通信機器、ソフトウエア、
印刷・印刷関連
業種製造業
従業員数39,483名(2019年3月 連結)

タレントマネジメント課題

統合的なソリューション営業の強化

営業職の「科学的管理=人材見える化」と各自への動機づけ

営業部門マネジャーによるフィードバック強化と全体の育成体制の整備

導入したタレントマネジメントソリューション

全営業職のアセスメント(パーソナリティ検査OPQ)

OPQ活用のためのトレーニングとOPQ分析結果解釈のためのコンサルテーション

営業職の人材特徴に基づく育成施策のコンサルテーション

得られた成果

営業の人材見える化を実現。誰がどのような能力を持っているかが、個別に把握できるようになった。

実績(過去データ)以外の、ポテンシャル(予測データ)や行動特徴を知ることで、マネジャーと部下のコミュニケーションが円滑になった。

メンバーの育成ポイントをOPQのデータをもとに話し合う風土ができてきた。マネジャー同士でどんな部下がいるかよく話すようになり、組織全体で「育成マインド」が向上した。

【目的/課題】

複合機事業の市場縮小による減収減益、顧客ニーズの多様化/複雑化による付帯業務の増加や顧客満足度の低下を受けて、富士ゼロックスは2009年より営業プロセス革新を始動させました。
営業プロセス革新とは「営業の量と質の強化」で、「結果管理からプロセス管理の転換」による営業力の強化を目指すものです。



努力が実を結び、2017年には売上が1.5倍に改善、顧客満足度調査でも再びトップに返り咲きました。この勢いに乗ってさらなる営業改革を推進し、生産性の向上と営業力の強化を目指したのがこのプロジェクトです。本プロジェクトは、「営業プロセス管理」と「人材育成」で構成されています。人材育成と成果向上のサイクルを回す始点は「人材の見える化」でした。



富士ゼロックスの事業構造転換に貢献しつつ、業績の高い人材(下図セグメント1)の特徴を可視化し、その他社員の営業活動の改善につなげ、営業力を底上げする必要がありました。

【導入/経緯】

人材の見える化のために、「自己認識シート」が作成されました。これはSFA(営業管理システム)のデータやアセスメントの結果を個人ごとにまとめたシートで、個人の能力やパーソナリティ、営業プロセス、業績、教育受講歴などが一覧できるようになったものです。
パーソナリティのアセスメントには日本エス・エイチ・エルのOPQが利用されました。OPQはもともと採用時のアセスメントにも利用されていましたが、このデータが新人育成にまで活用されていた背景があり、人材の可視化の一助となるとして組み込まれました。OPQは、セグメントごとの人材の特徴をはっきりと検出することもできました。
この自己認識シートをもとに、部門ごとに高業績者の特徴を把握し、今後の育成方針を計画するとともに、本人とマネジャーとの面談でも自己認識シートが活用されました。全体の教育施策としては、各セグメントごとの人材の特徴を分析し、セグメント1の人材像に近づけるための能力開発プログラムが策定されました。

【成果】

全体成果として、4年間の取り組みでセグメント1の人材を12%増加させることができました。営業職5000名の可視化が達成され、どのような能力を持った人材がどこにいるかを個別に把握できるようになりました。
アセスメントとしてパーソナリティの測定を使った効果は、営業職とマネジャーの面談が活性化したことでした。実績以外のデータがあることで、結果を離れて本人の得意や不得意、今後の能力開発を話し合う材料になり、相互理解が促進されました。部下の個性を活かそうとするマネジャーが増えたことで、組織全体で「育成マインド」が向上しました。
今後は、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールを活用した営業職による自発的な能力開発や、自分に近いタイプのトップパフォーマーに学ぶ人材育成の仕組みが求められます。


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