タレントマネジメントシンポジウム「ポテンシャルデータの活用 各社の事例」
タレントマネジメントシンポジウム
「ポテンシャルデータの活用 各社の事例」
2020年2月26日(水)開催 一橋大学 一橋講堂
(東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター2階)
2020年2月26日、弊社主催のタレントマネジメント・シンポジウム「ポテンシャルデータの活用 各社の事例」が東京・一橋講堂にて開催されました。当初は300名を超えるお申し込みをいただいていましたが、コロナウィルスに対応するイベント自粛の要請もあってか、最終的に84社109名の方々にご参加いただきました。※ 社名・部署名・役職等はシンポジウム当時のものです。
開催レポート
パネルディスカッションではそれぞれの取り組みについてお話しいただいた後、モバイル端末によるアンケートシステムを使って会場の皆様からいただいた質問に回答する形で進められました。以下、各パネリストがお話しくださった内容の趣旨を簡単にご紹介します。
岩村 令子様
(日産自動車株式会社 日本戦略企画本部 中期戦略企画部 主担)
私は中期戦略企画部で中期経営計画の立案/推進を担当しています。 今日は、この半年で取り組んできた「販売会社における優秀店長モデル構築プロジェクト」についてお話します。販社横断でのデータ分析を通して「優秀店長」の像を明らかにし、キャリアパスやトレーニングなど経営者目線に立った示唆を提供していくことが目的です。当社にも人材育成支援部がありますが、このプロジェクトは経営戦略を達成していくために、という観点から私が担当してきました。まず参画販社を募集するところからスタートです。日産の自動車を販売しているのは基本的に別会社である販売会社ですから、その役員たちに取り組みの趣旨を丁寧に説明して募りました。全国で店長は約2000人いますが、うち1300人ほどが参加してくれました。 プロジェクトは、1「優秀店長の定義と特定」→2「実施全店長への行動特性アンケート(パーソナリティ検査OPQ)実施」→3「ディープインタビューによるまとめと販社へのフィードバック」というステップで進めました。それぞれ一筋縄ではいかず、例えば、「優秀」の定義に定量評価(店舗実績)と定性評価(役員コメント)をどう組み合わせるか、など試行錯誤しながら感覚に合うものを創り上げていきました。現在も販社へのフィードバックを続けているところです。プロジェクトの成果物をもって販社の役員と話す中で、「タイプ別構成比に自社の課題がそのまま出ている」「より深くその店長のことを知ることができた」「役員候補選抜や店舗配置の参考にできる」などよい反応をいただけています。
石濱 健一郎様
(富士ゼロックス株式会社営業計画部営業力強化センター グループ長)
本日は「営業力強化に向けた「見える化」」についてお話しします。当社は法人営業がメインです。2009年から営業プロセス革新に取り組んできました。当時、実績やお客様満足度、そして営業の労働時間など質と量の両面で厳しい現実を突きつけられていました。 その対策の一つが「営業プロセスの見える化」です。営業準備→お客様面談→付帯業務→設置・フォロー等の各営業プロセスを定義し、それぞれどれだけ時間を費やしているかのデータをとり、可視化しました。理想はお客様面談の時間を増やすことです。現状のプロセスごとの注力度合いを理想の状態に近づけるため、新しく立ち上げた4つの組織が効率化を担ってきました。 成果は数字に表れました。2009年と比べて、2017年、総労働時間は削減されながらも営業一人当たりの売上は1.5倍となり、お客様満足度(CS)も一位に返り咲くことができました。しかし、一人一人の実感とはほど遠く、風土化にむけて改善を継続せよというTOPの指示を受けました。 そこで次に取り組んだのが営業マネジメントモデルの構築です。モデルはプロセスマネジメントと人材育成マネジメントの両輪で成り立っています。人材育成マネジメントモデルでは、トップパフォーマー20人ほどにインタビューし、人材の要素を経験、能力、行動、実績の4つに分類して「営業人材の見える化」をしました。適性検査のデータも含めた「自己認識シート」を営業5000人全員に作成し、評価面談のタイミングで本人にフィードバックしています。この取り組みは2015年からですが、成果は少しずつ数字に表れてきています。 今後も「営業を科学する」という姿勢を続けていきます。営業の在り方は一律ではないという考え方のもと、より営業現場にとって肌触り感のあるタイプの設定やAIを活用した販売スタイルの明示などを通した営業力強化に取り組んでいます。
プログラム
13 : 00
開会
13 : 10
「実践タレントマネジメント~ポテンシャルデータの使い方」
清田 茂(日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役)
13 : 30
「パーソナリティ、価値観からみた“イノベーション人材”のタイプについて」
大野 雅史(日本エス・エイチ・エル株式会社 HRコンサルティング4課 主任)
13 : 50
休憩
14 : 05
パネルディスカッション 「タレントマネジメント 各社の事例」
【パネリスト】
岩村 令子様(日産自動車株式会社 日本戦略企画本部 中期戦略企画部 主担)
石濱 健一郎様(富士ゼロックス株式会社 営業計画部 営業力強化センター グループ長)
【モデレータ】
佐藤 有紀(日本エス・エイチ・エル株式会社 HRコンサルティング2課 博士(心理学))
16:30
閉会