コラム

人事コンサルタントの視点

パーソナリティ検査の結果は信用できるのか?

公開日:2022/05/06

受検者自らが回答する質問紙形式のパーソナリティ検査の結果について、必ずといっていいほど議論になる問題があります。
それは、「自己申告の結果を、どこまで信用できるのか」という問題です。
本コラムではこの問題に対する私たちの考えをお伝えします。

問題意識の背景

この問題意識の背景には、2つの疑念が隠されています。
1.回答結果はあくまでも自己理解像でしかなく、信憑性がないのでは?
2.「良く見られたい」等の心理が影響し回答をごまかすため、信憑性がないのでは?

疑念に対する回答

1つめの疑念は、「なぜ自己理解を聞くことで行動の予測ができるのか」ということです。これは「自己概念は行動を規定する」という考え方に由来します。カール・R・ロジャースはパーソナリティを自己概念と同じものと捉え、その自己概念が自分のとる行動に深く影響する、という考え方をとっています。
つまり、自分はこういう人だ、という認識が行動に表れる、という考え方であり、その人の行動を知るために自己概念を聞くのは有効であるということを意味しています。
私たちはこの考え方を支持しています。

2つめの疑念は、「パーソナリティ検査の結果をごまかすことは可能である」という前提に立った場合に出てきます。
では、パーソナリティ検査の結果をごまかすことは可能でしょうか?
この問いに対する答えは「はい」です。これは、あらゆる自己申告型の検査に共通する問題であり、これらの検査は「社会的に望ましい」回答に対して脆弱です。
自己申告型検査の結果の正確さは、回答する人の正直さや協力によるものなのです。
結果をごまかすことを完全に排除することはできません。
だからこそ、自己申告型検査を提供する者は、この問題に対して「ごまかし」が起こる可能性を最小限にするための方策を取る必要があります。
私たちが提供するパーソナリティ検査OPQでは、回答者が作為的回答を行うことが難しいように設問を設定しています。具体的には回答者に各項目1つ1つに「はい」か「いいえ」等、1問1答で答えさせるよりも、項目間で強制的に選択させる回答形式をとることで、受検者が全体的に社会的に望ましい回答を行うという危険性を低減しています

おわりに

「パーソナリティ検査の結果は信用できるのか?」という問いに対する私たちの考えや方策はご理解頂けましたでしょうか。OPQの回答形式についてご関心のある方は、こちらのコラム「OPQはごまかせるか?」もお読みください。

ぜひ、同じチームで働く、よく知るメンバー同士でパーソナリティ検査の結果を共有してみて下さい。「確かに当たっている」という部分もあれば、「本当にそうなの?」という部分も出てくるかもしれません。パーソナリティ検査の結果だけで回答者の全てを知ることはできません。ですが、パーソナリティ検査の結果を用いて対話することで、より多くの情報を収集でき、結果への納得感が高まると思います。 パーソナリティ検査OPQを正しくご利用いただくため「OPQ解釈コースオンデマンド」(参加無料)へのご参加をお薦めしております。

大川 真世

このコラムの担当者

大川 真世

日本エス・エイチ・エル株式会社
コンサルティング2課 主任

メールマガジン登録

日本エス・エイチ・エルのメールマガジンではタレントマネジメント・人材採用に関する様々な情報を発信しております。

メールマガジンに登録する

組織人事や採用の問題解決は
日本エス・エイチ・エルに
ご相談ください

サービスをもっと知りたい方

資料ダウンロード

サービスの導入を検討している方

お問い合わせ