個人的にはOPQの結果が細かい点を気に入っているのですが、上層部からはどんなタイプかわかりやすく教えてほしいといわれます。SHLでタイプ分けというのはあるのでしょうか。
OPQは類型論(タイプ論)ではなく、特性論に基づくパーソナリティ検査です。30個のパーソナリティ特性を測定し、各特性の組み合わせによって個人のパーソナリティを捉えようとしています。この世界には誰一人として同じ人がいないのですから、限られたタイプに人を所属させるタイプ論よりも、特性の組み合わせにより個人差を明確にする特性論の方が現実に近いように思えます。ただし、全ての人が異なる特性の組み合わせを持つため、複雑過ぎて使いづらいというご意見はごもっともです。似た特徴を持つ人を一つのタイプとして捉えるテストの方がわかりやすいかもしれません。
実は、OPQから算出できる結果の中には、チーム内役割タイプ、上司タイプ、部下タイプ、コミュニケーションスタイルといったタイプモデルが存在しています。チーム内役割タイプは8尺度、上司タイプは5尺度、部下タイプは5尺度、コミュニケーションスタイルは9尺度で構成されており、一人の受検者がどれか一つのタイプに該当するわけではなく、時には複数のタイプに該当したり、いずれのタイプにも該当しなかったりという結果になります。この点が真のタイプ論とは異なるのですが。
では、これらのタイプを用いればわかりやすく人物を表現できるかというと、決してそんなことはありません。パーソナリティ検査結果がわかりやすいかどうかは、2つの要素で決まります。1つ目はわかりやすく簡潔に表現されていること。2つ目は利用者が結果に精通していること。1についてはパーソナリティチャートの30尺度を利用するのではなく、マネジメント特性の9尺度かイメジスの6尺度を利用してください。簡潔でとても分かりやすい結果になっています。2については上層部の方々にOPQコースを受講してもらってください。経営トップの方にOPQを丁寧に説明すると関心を持たれる方が多いです。上層部にトレーニングは無理と決めつけずトライしてみてください。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員