現在オーソドックスになっている週休二日制から一部企業が導入している週休三日制を導入しようと考えている。週休二日制と比べて、週休三日制のメリット・デメリットは?
現在、国会でも働き方改革関連法案が論議を呼んでいますが、これらの法案の考え方の中心は、長時間労働の改善と労働生産性の向上です。週休三日制になれば、当然休みは増え、一見労働時間が減りそうですが、制限のある労働時間内に効率よく業務を終わらせることができなければ、出勤日の残業時間がむしろ増えてしまう、自宅に仕事を持ち帰るサービス残業が起こるという逆効果になります。
メリットは、休日が増えれば、資格取得や趣味にボランティア活動にといったようにプライベート時間を自分のために充実させたり、家事、育児、介護等にも時間をさくことができるという点、限られた労働時間内に効率良く仕事をして生産性を高めようというモチベーションがアップすることです。
デメリットは、休日取得が他の人と合わせづらくなり、かえってプライベートの充実が制限される、従来の残業時間分の収入が減る可能性があること、労働生産性をあげなければというプレッシャーが強くなるという点です。結局、メリットとデメリットは裏表の関係ということです。
人手不足の中で、社員に少しでも負担を減らして働いてもらい、仕事に対するモチベーションアップにつなげる、あるいは採用面でプラス材料にしたいということから週休三日制を導入という企業も増えてくるはずですが、減収をきらう、休日の副業比率が多くなり退職につながるといった負の側面も出るリスクもあります。
自社のどの業務なら導入可能かじっくりと検討する必要があります。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長